私的にボランティア活動の一環として「Yahoo知恵袋」を見る、回答する機会があるのですが、引っ越しシーズンということもあり最近特に増えているのが「インターネット可住宅に引っ越したけどどうやってインターネットにつなぐの?」という質問。
みなさん認識違いをして賃貸契約をしているようですし、賃貸仲介業者もしっかり理解して案内していないような節がある?ので解説したいと思います。
インターネット付きとインターネット可は違う
よく間違われるのが「インターネット付き」と「インターネット可」の違い。知らずに契約して後でびっくりしないようにまずはこの違いから説明しましょう。
インターネット付き住宅
よくある賃貸マンションなどに有線放送やケーブルテレビが引かれている場合と同様、家賃の中にインターネットに接続するための利用料が含まれていて、通常は部屋にあるLANケーブルをつなげは使えるという形態の賃貸住宅(マンションやアパート)です。
インターネット可住宅
日本語はつくづく難しいなあと思うのですが、インターネットが使える訳ではなく、インターネットを使うことが可能な住宅のことをいいます。通常は建物単位で契約しているいわゆる「マンションタイプ」の通信契約をするための準備(設備)が整っているので、契約さえすれば大規模な工事なしでインターネットを利用できるという形態の賃貸住宅(マンションやアパート)です。当然ですが、設備があるだけでインターネットにつなぐためにはその建物が用意しているインターネット契約をしない限り使えません。
インターネット可とインターネット付を間違わないために
違いを言葉にすると煩わしい2つの形態ですが、物件を探したり、実際に不動産仲介会社に行った時に
1.「この物件はインターネット使えますか?」
ではなく
2.「この物件でインターネットをするのに別の契約は必要ですか?」
や
3.「この物件はインターネットにつなぐ料金も家賃に含まれていますか?」
と聞くようにしましょう。1の質問では使える/使えないについての質問ですから設備がなくても「できます」と答える業者がほとんどです。対して、2の質問方法では不動産仲介会社によっては適当な認識で答えるところもありますが、3の質問方法なら間違いなく入居したらすぐに使えるかどうかとそれに対する追加の費用が発生しないのかというのを確認することができると思います。
そして2なのか3なのか、はたまた1なのかを判断するために
家賃の明細の中に「インターネット接続料金」などという項目があれば3
家賃の明細の中に「インターネット接続料金」などという項目がなければ2もしくは1
と言う風に判断して、契約前にきちんと精査しておく必要があります。
インターネット付住宅の場合は費用の中にすべて含まれているので、部屋の中にはインターネットに接続するためのLANケーブルを差し込む大き目の端子が備わっています。
インターネット可住宅の場合にはいわゆる電話線の差込口があって、インターネット契約後に送られてくる「VDSL」モデムをつなぐことでインターネットに接続できる環境ができます。
そして、何も表示されていない住宅やインターネット可であっても設備がない住宅は自分で光ファイバーなどのケーブルを引き込まなければならない(契約時の工事になりますが、結構な費用がかかったり、工事そのものができなかったりする場合があります)ので注意しましょう。そして、工事をした場合には退去時に元に戻す必要が出てくる場合がありますので、必ず不動産仲介業者に確認をしてから引くようにしましょう。
最後に
一番大切なところでありながら、最近ではインターネットの契約斡旋業者や不動産仲介業者の窓口担当者が不慣れだったり、多少の知識だけを研修で受けた従業員だったりすることが多くなっています。プロであってプロでないわけですから、借りる側が予備知識を持っておく必要があります。
それから、厳密にいうとインターネット付住宅の場合、原理的にはその建物すべてが1つの家の中という状態になっています。もちろん設備を追加してこれらを別々にする技術もあるのですが未対応のところも多いと思います。最悪の場合にはパソコンのデータを読み取られたりといったことも発生しかねませんので、独自にファイヤーウォールを設置したり、ルーターで自分のネットワークには他人が入らないようにするなどの対策が必要かもしれません。