WordPressのカスタマイズ方法やプラグインレビューを中心に、パソコン/動物/植物のことなどを紹介するホームページです

【WordPress】ファイル・フォルダよりも大事なデータベースは手動でバックアップしよう!

公開日:2019(令和元)年10月10日/最終更新日:

WordPressのカスタマイズ情報



【景品表示法に基づく表記】ページ内のコンテンツには、商品プロモーションが含まれています

私がWordPressを使い始めたバージョン2.xの時代には、WordPressが使えるサーバーも限られていましたし、いくらインストールが簡単といっても、

  • どうやってWordPressが動いているのか?
  • WordPressを動かすのに何が必要なのか?

を何となくでも理解して、自身で準備をしないといけませんでした。

が、今ではWordPressをインストールするなんて言葉が死語になる位、サーバー側でボタンをいくつかクリックし、出てきた画面にいくつか入力するだけで基本的な動作をさせることができるようになりました。恐らくこの手軽さがWordPressの人気を爆発させた一因に違いないでしょう。

そしてサイトを作っていくうちにいろいろと情報収集していると【バックアップ】という言葉が目に付くようになります。そう、サイトが動作しないなど、いざという時に復元できようにしておこうということです。

【バックアップ】にまつわる記事を読んでいると、ほぼ100%書かれているのがプラグインを使った手法。〇〇を使うと知識がなくても自動でバックアップを取ってくれる、これで安心!!と誰もが思うでしょう。

でもちょっと待ってください!

  • その【バックアップ】したものはどこに保存されていますか?
  • 何が【バックアップ】されていますか?
  • 万が一の時どうやって元に戻すのですか??
  • 戻し方を知ってるだけでなく戻したことありますか?
  • 戻す作業はWordPressの管理画面にアクセスできなくても行えますか??

すべてクリアの方は大丈夫です。そのままプラグインを使っていけばいざという時の心強い味方になるでしょう。・・・というか最後の項目もクリアの方はわざわざプラグインを使う必要もないかも知れませんね・・・ということも理解されているのでしょう。

今回は上の項目の中で1つでも??となった方のために、ご自身で復旧させる場合、誰かに復旧を依頼する場合のどちらにも対応できる一番スタンダードな【手動によるデータベースのバックアップ】方法を紹介します。

WordPressの構造の根本は同じなので、多分過去に類似した記事があるような気がするのですが、今回は「データベース」のバックアップに絞って画像をできるだけ使って解説していきます。

「データベース」って何?そんなに重要なの?

よくいろいろな方から、サイトに不具合が出たので修復してほしいと問い合わせいただく際へバックアップの有無を確認をすると「はい」と言われることが多いです。そこで何をバックアップしてますか?と質問すると大抵の方が

  • 〇〇というプラグインで定期的に行うようにしています
  • FTPというのを使ってファイルやフォルダを定期的にパソコンへ保存してます

と回答されることが多いです。

結論から言うと後者は私からすると何もバックアップできてない状態、また後者はサイトに不具合が起きた=管理画面には既に入れない状態であることが多いのでサーバー内に保存されているファイルを見てとてもそのまま復元できるまでのデータがないという状態が数多く見られます。

※そうした作業をするとき、自身で必要に応じてバックアップするのでバックアップの有無については別に聞くべきことでもないですが、一応理解度確認のために伺うことにしてます。

いずれの方も上のリストで言えば1つも理解されていないと思われますから、この際WordPressにおいてなぜ【データベース】が重要なのかを理解しておかれるといいでしょう。

WordPressで行った設定や書いた記事のほぼ100%の情報は、「データベース」の中に保存されています。

ざっくり言うと、よほど特殊だったり、入手困難なテーマやプラグインを使っていなければ、サイトへ追加した画像などを除けばデータベースのデータさえあればサイトを動かすことは可能といってもいいでしょう。それ位ファイル・フォルダよりもデータベースのデータは重要なのです。

そしてもっと大事なのはバックアップしたデータが復元できる形で保管されていることです。トラブル時にご自身で復元する場合、誰かに頼む場合のいずれにしても復元に使用できる形になっていなければ何の意味もありません。

今回はそれを踏まえ、ご自身の手で復元可能な形でWordPressのデータベースを保存(バックアップ)する方法を紹介していきます。復元と比べ、バックアップ自体は手順通りに行えばそれほど大変な作業でもありませんので、ぜひ行うようにしてください。

それでは早速進めていきましょう!!

手動でWordPressサイトのデータベースをバックアップする手順

データベースに接続する情報を入手する

WordPressの基本的な情報やデータベースとの接続情報などはサイトの「index.php」があるのと同じ場所(ディレクトリ)にある「wp-config.php」というファイルに書かれています。

データベースの操作を行うためには接続情報が必要ですので、FTPクライアントツールやサーバーのファイルマネージャーを使って、該当サイトの「wp-config.php」をダウンロードします。

このファイルの重要性を十分に理解し、扱いに慣れていればファイルマネージャーなどで直接このファイルを開いて情報だけを使うということもできますが、誤って編集などしてしまうとサイトが表示できなくなる可能性がありますので、別の場所へダウンロードしたものを参照することをおすすめします。

ダウンロードが終わったら次へ進みましょう。

☆該当サイト?「wp-config.php」?という方は☆

何も知識なく自動インストールされている場合や複数のサイトを同じサーバーに設置している場合などでは、たくさんフォルダがあってどこが該当サイトなのか分からなくなることがあります。

誤ったデータをバックアップしても仕方がないので特定できないときはプラグインの力を借りてそのサイトが接続しているデータベースの情報を入手しましょう。

一番おすすめはWP Config File Editorです。プラグイン名で検索するか上記リンクから入手してインストール&有効化してください。

【WordPress】ファイル・フォルダよりも大事なデータベースは手動でバックアップしよう!|Knowledge Base

有効化したら「WPCF Editor」をクリックし、出てくる画面で「Preview」をクリックします

これでそのサイトの接続情報が見える(wp-config.phpをダウンロードして表示した状態と同じ)ので、そこから必要な情報を取得してください。

※セキュリティ上の理由から、情報の入手が完了したらプラグインは停止、削除しましょう

※このプラグインはサイトの接続情報を表示し、編集までできてしまうものです。意味も分からず編集してしまうとサイトに接続できなくなりますので、確認のみ行う場合、絶対に「SAVE」ボタンはクリックしないでください。

データベースのデータをダウンロードする

順を追って画像を使いながら紹介していきます。先ほどダウンロードした「wp-config.php」を開いておきましょう。

【WordPress】ファイル・フォルダよりも大事なデータベースは手動でバックアップしよう!|Knowledge Base
【WordPress】ファイル・フォルダよりも大事なデータベースは手動でバックアップしよう!|Knowledge Base

必要となる部分は画像赤枠の情報です。以後の解説で同じ単語を使っていますので参照しながら進めてください。

1.データベースの編集ツールを開く

サーバー内にあるデータベースの内容を参照したり編集したりするには「pypMyAdmin」というサーバー内ツールを使用します。「pypMyAdmin」は通常メンテナンスツールとしてサーバーのコントロールパネル(サーバーパネルなどとも呼ばれます)にメニューがあり、そこから接続情報を用いてデータベースの中へ入ります。

サーバーによっては「pypMyAdmin」の使用を禁止していたり、使用する際には自身でこのツールをインストールする必要があるときがありますので、それらのスキルがなければ手動でのバックアップはあきらめた方がいいでしょう。

「pypMyAdmin」を開くと

【WordPress】ファイル・フォルダよりも大事なデータベースは手動でバックアップしよう!|Knowledge Base

というログイン画面が開きますので、「wp-config.php」の「ユーザー名」「パスワード」、サーバーによっては「接続するホスト名」をコピーしてログインしてください。

2.サイトが使用しているデータベースを開く

ログインに成功すると先ほどのユーザーが管理しているデータベースの一覧が画面左側に表示されます。

「wp-config.php」に書かれている「データベース名」と同じ名前のリンクをクリックします。

【WordPress】ファイル・フォルダよりも大事なデータベースは手動でバックアップしよう!|Knowledge Base

左側にリスト(これがWordPressで使われている「テーブル」という名前のデータの集まりになります)が表示された状態で、画面の上にある「エクスポート」をクリックします。

3.必要なデータのバックアップを取る(データベース内テーブルのダウンロードを行う)

下のような画面が表示されます(ページ長さの都合上2つの画像で表示しています)。この画像を参照しながら説明を読み進めてください。

【WordPress】ファイル・フォルダよりも大事なデータベースは手動でバックアップしよう!|Knowledge Base
【WordPress】ファイル・フォルダよりも大事なデータベースは手動でバックアップしよう!|Knowledge Base

出てきた画面の上の方にある「詳細」をチェックします。すると下に選択/非選択できる項目(テーブル)が表示されます。

すべてにチェックが入った状態ですので、「wp-config.php」に書かれている「テーブルの接頭辞」が項目の先頭にあるテーブルのみを選択します(選択したテーブル右の2つのチェックが入っていることも確認してください)

画面を少しスクロールした先にある「圧縮」という項目を「zip形式」または「Gzip形式」へ変更してください

あとはページ最下部にある「実行」をクリックし、しばらくすると保存先指定画面が出るのでデスクトップなどへダウンロードすれば完了です。

バックアップをする際の注意点、確認すべきことエラー対処など

それほど規模の大きくないサイトではこの手順で問題なくバックアップを取れると思いますが、サーバーの状況やサイトの規模によっては保存先指定画面が画面が出る前に「500エラー」が出ることがあります。これはサーバーの処理能力の限界を超えてしまって処理できないという意味ですので、再度phpMyadminの画面を開き直して(リロードは失敗します)以下のように対処します。

  • 圧縮方法を「Gzip」形式にして再試行してみる
  • テーブル選択で数個のテーブルずつに分けてダウンロードする

複数のテーブルずつに分けてバックアップする場合には日付を入れたフォルダ内にそれらのファイルをまとめて保管するなど、同じ時にダウンロードしたものであることを分かるように管理することが大事です。

またもう一点、ダウンロードするファイルのサイズにも注意が必要です。比較的メジャーなサーバーが扱えるデータの量は20メガバイトまでですので、ダウンロード中に表示されるファイルサイズ、またはダウンロードしたファイルのプロパティを見て20メガバイトを超えていたら、数個のテーブルずつに分けてダウンロードしておかないと、肝心な時に復旧できなくなる可能性があるので気を付けましょう。

手動バックアップ時にこうした対処が必要となるサイトデータやサーバーで自動バックアップを取るようなプラグインを導入した場合には、プラグインの行う処理で不具合が起き、データベースのバックアップに失敗するので、成功するまで再試行することがあり、サーバーのダウンを招いたり、意味のない失敗ファイルがどんどん増えてサーバー容量を圧迫したりすることがありますから使用を控えた方がいいでしょう。

頻繁にバックアップに不具合が出るときは特定のテーブルが大きすぎるというのが第一要因となりますから、

などを使ってテーブルの最適化やゴミデータの削除をしてみると改善される可能性があります。
※このプラグインが行っているのは「pypMyAdmin」の中で行える最適化と、本当に使われていないデータのみです(2019年10月10日現在私の管理するサイトすべてで使用しています)。

QA AnalyticsQA Analytics

さいごに

いかがですか?手順が多そうだしもしも何か間違ったら・・・と不安に思われるかも知れません。なんてったってやったことのない操作なのですから・・・。

ざっくり言うとデータは削除しない限りは残っていると考えて大丈夫ですので、不安ならテストサイトなどを作って試してから本サイトのバックアップをしてみてもいいかも知れません。

逆にこの仕組みと流れが分からぬまま、プラグインに頼るというのは個人的には非常に危険だと思います。何度も書いた通り大切なデータの保管場所であるデータベースの操作をプラグイン作者のプログラム任せにするのですからね。もしもそのプラグインに不正なプログラム(ハッキング用プログラム)なんかが入ってたら・・・恐ろしくないですか??

また、手動でデータベースのバックアップができないサーバーでプラグインを使ってバックアップしているときにエラーが出たりしたら・・・それこそ復元は不可能になると思いますので、利便性からプラグインを使う場合には、プラグインなしでもできるようにスキルを持っておくことが今回の件では重要です。

おまけ ファイル・フォルダで復元に必要なものは(バックアップが必要なものは)

データベースのバックアップということで話を進めてきましたが、ついでにファイル・フォルダ類で必要なもの、必要な情報についても触れておきます。

まず必要な情報はWordPressのバージョンだけです。バージョン情報は管理画面の「概要」というウィジェット下に表示されていますから、何となくでもそのバージョンを見る癖をつけておけばいざという時の復元の役に立ちます。

次に必要なファイル・フォルダは「wp-content」というフォルダだけです。ここには「テーマ」「プラグイン」「アップロードした画像など」WordPressのインストール後に追加したものがほぼすべて入っています。

必要なのはこの2つだけです。WordPress本体は公式サイトから過去バージョンも含めて入手可能ですし、今回紹介したデータベースとの接続情報も新たにデータベースを構築して復元すれば不要ですから、最低限この2つをFTPクライアントツールなどを使ってパソコンへダウンロード(バックアップ)しておくようにしましょう。