パソコンで作業していて「あれ?マウスを1回クリックしたら勝手にウインドウが開く、ソフトが起動する」という現象が発生したことありませんか?
ソフトが起動するだけなら「あら便利」で済む話かもしれませんが、勝手にダブルクリックになると困ることがいっぱいあります。例えば
- 勝手にフォルダが開いてしまう
- ブラウザが2重起動してしまう
- 文字をコピーしようと思ってドラッグしたら勝手に解除されてしまう
最初のうちは我慢できても症状が進んでくるとなんでもかんでもダブルクリック・・・みたいになってしまってイライライライライラしますね。特に文字を選択したりコピーしたりするときに出るとイライラはMAX!!
また、ダブルクリックになるだけでなく、勝手に選択が解除されたり、選択したくないのに勝手にドラッグ状態になったりとさまざまな不具合が出ることもあります。
この現象、パソコンのせいではなく「マウスのチャタリング現象」というそうです。今まで「マウス壊れた~」と左ボタンだけお決まりのようにおかしくなるし、左ボタンのためだけに買い替えるのは本当にもったいないので、このチャタリング現象を解消すべくいろいろと対処方法を試してみました。
最終的には買い替えの検討も必要ですが、その前にやれることはやってみよう!!という方はチャレンジしてみてください。
【チャタリング現象】の原因
物理的にマウスが壊れている場合、マウスの帯電、マウスの接点が何かで汚れている、Windowsのマウス設定の問題などいろいろあげられますが、今まで動いていたものがだんだんおかしくなるということは物理的な要因が強そうです。
チャタリングとは電気用語で接点の不良などによって一度の動作で微妙に振動が検知されて複数の動作と認識される現象の総称なので、マウスだけでなくキーボードでも同様のことが起こりますし、パソコンから離れていろいろな家電製品に付属しているリモコンなどでも起こる可能性があります。
ちょっと脱線しますけど、以前に書いた
という記事も似たような現象(この場合は不注意ですが)だと思います。
【チャタリング現象】の対処方法 ~物理的な方法~
マウスを買い替える
根本解決!!ですが、私の場合は普通に使用しているだけなのに1年位でこの現象が発生することが多く、「最近流行りのある程度で壊れるようになってる??」と悪意すら感じてしまいます。
価格の違いで起きる?も試してみましたが経験する限りではあまり違いはないように思います。最近のマウスの特徴であるボタンが本体と一緒になっている(ツライチになっている)ものよりもボタンはボタンとなっているものの方が長持ちするみたいな印象です(会社で使うパソコンなんかはこのタイプが多いですよね?)。
パソコンから外して何度かクリック
チャタリング現象が起こるのは静電気の影響があるようです。特定のボタンだけ発生する場合には疑ってみる価値があります。
帯電を解消するためにマウスをパソコンから外した状態で何度か問題のボタンをカチカチとクリックしてから再接続してみます。
※マウス以外でマウスと同様の動作ができるパソコン以外ではパソコンの電源を切ってから行わないと操作不能になることもありますから気を付けてください
マウスを分解して掃除
最近のマウスは完全にモールドされているので分解したらほとんど元に戻らないですから、再起不能になった場合代わりになるマウスがない場合はあまりおすすめしません。
【チャタリング現象】の対処方法 ~ソフトで制御する方法~
便利なものを作ってくださる方がいました。
私の場合は物理的対処をしてもダメだったので最終的にこのソフトで解消できました。
「ChatteringCanceler(マウスチャタリングキャンセラ)」という無料(フリー)ソフトです。
一応Windows7までだそうですが、8.1でもチャタリング現象が止まったことから正常に動いているようです。
何をしているのかをざっくり紹介すると、人間がやっていないであろうという速さのマウス動作(凄い速さのクリック、すごい速さのスクロールなど)を無効にしてくれるという機能を持ったソフトです。
「ChatteringCanceler(マウスチャタリングキャンセラ)」のインストール方法
- 上のリンク(Vector)からソフトをダウンロード
- 適当なフォルダへ解凍
- X86またはX64フォルダ(環境によって選ぶ)の中にある【ChatteringCanceler.exe】を起動
これで自動的に人間ができない高速なマウス動作がキャンセルされます。
何となく解消したけどまだ起こる・・という方はタスクバーアイコンを右クリックして設定を開き、不具合の起きる動作についてチャタリングとして認識する間隔を長くしたり短くしたりするなど調整してみてください。
設定秒数は「この間に複数回クリックした信号を1回とみなす」という感じなので、ダブルクリックになってしまうときには時間を長く設定します。これによって本来のダブルクリックの感覚が難しくならない程度に設定するのがコツです。私の場合はデフォルトの40msではなく50ms(ミリ秒)がいちばんしっくりきました。
尚パソコンを再起動してしまうと自動起動しませんので、常時起動するようにスタートアップなどへ登録するようにしましょう。
ちなみにやり方は・・・
- 【ChatteringCanceler.exe】のショートカットを作る
- 「ウインドウズマーク」→「プログラム」→「スタートアップ」を右クリックで開き、ショートカットを入れる
です(ほとんどの方は知ってますよね・・・)。
もう少し「ChatteringCanceler(マウスチャタリングキャンセラ)」のことを詳しく書くと、通常マウスで操作したときの信号はタイミングの速さに関わらず、例えばクリック1回の信号が来たらシングルクリック、2回来たらダブルクリックと判断して動作しています。この「ChatteringCanceler(マウスチャタリングキャンセラ)」はクリックとクリックの間隔やマウスホイールがカリカリ動く1回1回のタイミングを「この秒数以下で複数回動かしたら1回にする)という遅延動作をします。
マウス自体の機械的なトラブルを回避できるわけではありませんが、これによってマウスの機械的な不具合を調整してくれるのです。
「ChatteringCanceler(マウスチャタリングキャンセラ)」で不具合が起こったら
ソフトウェアなので何等かの不具合によって動作しなくなることは十分あり得ることです。ノートパソコンやタッチパネル対応のパソコンなどならマウスを外したり、タッチパネルで再起動などの対処も可能ですが、そうでない場合にはちょっと困りますよね。そんなときの対処方法を紹介しておきます。
- キーボードのウインドウズマークをクリックしてカーソル(↑↓←→)を使って再起動してみる
- 「Ctrl」+「Alt」+「Delete」でタスクマネージャを起動して「プロセス」 タブから「ChatteringCanceler.exe」を終了させる
1は一時的に不具合が起きたときの対処方法です。再起動してきちんとマウスが動くようであれば、前述したように設定を調整してみます。
2はその場の状態を改善するための方法です。「ChatteringCanceler(マウスチャタリングキャンセラ)」を停止するので今起動しているソフトをひとまず保存したいといった場合には有効な方法です。
ソフトのReadmeファイル
ダウンロードした「ChatteringCanceler(マウスチャタリングキャンセラ)」に添付されている解説を引用して掲載しておきます。
ChatteringCanceler 2.1a Copyright (C)2008-2013 Hitoshi Hoshiyama
機能
マウスボタンのチャタリングを除去するツールです。
2.0より、ボタン5まで対応します。制限事項
・特にありません。対象OS
Windows2000/XP/Vista/7
(32Bit/64Bit)
※64Bit版はWindows7にて確認
※Windows8での動作確認は行っておりません。
おそらく動くと思われますが、現時点では未確認であることをご了承ください。使用許諾および免責
・ChatteringCancelerはフリーソフトです。
個人利用に制限はありませんが、商用利用の場合はご連絡願います。
・配布アーカイブの変更および無断での有償配布を行わない限り、複製および再配
布は自由とします。
・本ソフトウェアを使用したことにより発生した損害についての補償は一切出来か
ねますので、あらかじめご了承ください。使い方
32Bit版と64Bit版のマルチバイナリ構成になりました。
おまけで英語版も同梱しました。
残念ながら、英語版については現状ではドキュメントがありません。
どなたか英訳していただけたら助かります(他力本願)。ファイルを解凍後、32BitOSを使用している方は「x86」の下にあるファイルを、
64BitOSを使用している方は「x64」の下にあるファイルを、それぞれ適当なディレ
クトリの下へコピーします。
作者は「C:\Program Files\ChatteringCanceler」の下に入れていますが、置き場
所は使用者の自由です。
なお、Vista以降のWindowsで「C:\Program Files」以下
(または「C:\Program Files (x86)」以下)に置くのはあまりお勧めできません。
設定が保存出来ないなどの現象が発生する要因になります。あとは解凍したChatteringCanceler.exeを起動するだけです。
設定は、インストールディレクトリにあるiniファイルへ保存されます。
自動起動したい場合は、スタートアップにショートカットを作成してください。設定・ログ出力・終了は、タスクトレイアイコンの右クリックメニューから行って
ください。アンインストール
ChatteringCancelerを終了させ、インストールディレクトリを削除してください。
また、スタートアップに作成したショートカットも削除してください。
レジストリは使用していませんので、掃除の必要はありません。設定
起動するとタスクトレイにアイコンが表示されるので、このアイコンの右クリック
メニューから「設定」を選ぶと設定画面が開きます。バージョン1.1より設定内容が増加しています。
それぞれ処理方式ごとにメリットとデメリットがありますので、説明を読んだ上で
ご利用下さい。・処理方式
1. Down-Up 間隔測定方式
バージョン1.0で採用していた方式です。
「Down-Up閾値」で指定した時間(msec単位)より短い間隔のクリックを無視し
ます。
あまり数字を大きくすると、ダブルクリックが出来なくなるので注意。
デフォルトの40msecで問題がある場合のみ変更するのがいいと思います。通常はこちらの方式がお勧めですが、ボタンを押し込んだ状態でチャタリング
が発生するマウスでは、チャタリングが発生するとドラッグが出来ません。
ドラッグ失敗が多発している場合は、「イベントディレイ方式」を使用してく
ださい。2. イベントディレイ方式
バージョン1.1で追加された方式です。
ボタンイベントが発生してから「ディレイ時間」経過後のボタン状態を見て
マウスボタンのイベントをエミュレートします。
あまり数字を大きくすると、ボタンを押してからの反応が遅くなりますので、
最大でも40~60msec程度に抑えたほうが無難です。
ドラッグ失敗が多発する場合にはお勧めの処理方式です。ただし、処理方式上ボタンを押してから実際のクリックが発生するまでに遅延
時間が存在しますので、タイミング命の処理には向きません。
シビアなタイミングを要求される向きには、「Down-Up 間隔測定方式」をご使
用ください。3. ハイブリッド方式
バージョン2.0で追加された方式です。
指定時間より短い間隔のボタンイベントは全て破棄し、イベントが発生しなく
なったところで最後のマウスイベントをエミュレートします。
ボタン押下の反応はDown-Up 間隔測定方式と同等ですが、チャタリングが長く
続くようになったマウスでは、ボタンを離したときの反応がイベントディレイ
方式よりも遅くなります。
あまり数字を大きくすると、クリックの合間にドラッグが挟まるような反応に
なりますので、最大でも100msec程度に抑えたほうが無難です。
チャタリングがひどくなってクリックが分割されてしまうような場合には、お
勧めの処理方式です。・監視対象
ボタン別に、処理方式・時間設定・監視の有無を設定できます。・タブレット
ペンを使用した時、チャタリングの監視をするか設定できます。
チェックONで、ペンストロークを監視対象から外します。
マウス左ボタンの監視は、ボタンごとの監視設定に従います。・優先度
プロセスの実行優先度を設定できます。
マウスカーソルの引っ掛かり、クリック反応遅れがひどい場合に使用します。
「リアルタイム」への設定も可能ですが、非常に高い優先度となるために非推奨
とします。
通常は、最高でも「高」を使用してください。トラブルシュート
設定値を大きくしたらクリック出来なくなった!
・「Down-Up 間隔測定方式」の場合
ボタンを離してから次に押すまでの間隔を長くすれば反応しますので、設定値を
下げてください。
それでも駄目な場合は、Ctl+Alt+Delでタスクマネージャを起動して「プロセス」
タブから「ChatteringCanceler.exe」を終了させてください。
その後、「ChatteringCanceler.ini」を直接編集して設定変更して下さい。・「イベントディレイ方式」の場合
ボタンを押してからしばらく待てば反応しますので、設定値を下げてください。
それでも駄目な場合は、Ctl+Alt+Delでタスクマネージャを起動して「プロセス」
タブから「ChatteringCanceler.exe」を終了させてください。
その後、「ChatteringCanceler.ini」を直接編集して設定変更して下さい。・「ハイブリッド方式」の場合
ボタンを離してから次に押すまでマウスを動かさないようにすれば反応しますの
で、設定値をを下げてください。
それでも駄目な場合は、Ctl+Alt+Delでタスクマネージャを起動して「プロセス」
タブから「ChatteringCanceler.exe」を終了させてください。
その後、「ChatteringCanceler.ini」を直接編集して設定変更して下さい。「Monitor thread Sendinput:この処理を正しく終了しました」と表示されてZoneAlarm
が操作できない
・ZoneAlarmの設定を変更することで回避出来ます。
設定方法
1. ZoneAlarmの設定画面を開く
2. 「プログラムコントロール」を選ぶ
3. プログラムのリストから「ChatteringCanceler」を探す
4. 「ChatteringCanceler」の Smart Defence を「カスタム」にする
5. 「ChatteringCanceler」の トラストレベルを「スーパー」にするnProtect使用アプリで、SendInputのエラーが表示される
・「イベントディレイ方式」を使用しているとnProtectでブロックされるようです。
未確認ですが「ハイブリッド方式」でも同様の現象が発生するはずです。
突破方法が見付かっていませんので、「Down-Up 間隔測定方式」を使用してくだ
さい。設定が保存されない
・「C:\Program Files」以下、または「C:\Program Files (x86)」以下のフォルダ
にインストールしていると、管理者権限でログオンしてない限りは設定が保存で
きません。
ログオンしているユーザアカウントで読み書きが出来るフォルダにインストール
してください。FAQ
・タスクトレイアイコンを隠したい
WindowsXP以降であれば、スタートメニューのプロパティで非表示にするアイコン
を設定出来ますので、そちらで非表示に設定してください。
Windows2000については、申し訳ありませんが現在のところアプリケーション機能
としてアイコン非表示をサポートする予定はありません。謝辞
初期版から使用していただいた2ちゃんねるLogicoolマウススレの皆様、協力ありが
とうございました。
また、追加機能案を出してくれたユーザの方々、トラブル事例を報告してくださった
ユーザの方々、およびWindows7(x64)での確認をしてくださったDH氏、詳細なログを
提供してくださった幸之介氏、タブレットでの筆圧キャンセル現象についての詳細な
情報を提供してくださった臨月箱作氏にも同じく感謝します。————————————————————————–
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