いざ車でお出かけ!や出勤!の時に困るのがガラス内側の曇り。そんなのエアコン入れれば1発で解消するでしょと思った方半分正解です。ではなぜエアコンを入れると曇りが取れるのか?そもそも曇りの原因は何なのか?をご存じですか?
きちんと知っておけばエアコンを入れてわざわざ燃費を悪くしなくても(エネルギーの無駄遣いしなくても)窓ガラスの内側の曇りを防止できるようになります。今回はガラスが曇る原因と仕組み、なるべく曇らないようにする方法を紹介します。
ガラスの曇る原因
ガラスが曇っているのは細かい水滴がたくさんついて曇っているように見える現象のことを言います。見た目に白くなっているのでわかりにくいですが細かい水滴が集まったものなのです。
ではその細かい水滴はどうやってつくのか・・・答えは簡単で、冷たい飲み物を入れたときグラスの外側に付く水滴と同じ現象が起きているのです。
グラスに付いた水滴はすぐに水滴同士が固まってしずくになるので一見曇っていないようにも見えますが、空のグラスに氷だけを入れてしばらく置いておくと車のガラスの曇りに似た現象を見ることができます。
原理は簡単、空気中にはたくさんの水分があって通常はこれが空気の中に溶けている状態。これが氷で冷やされてグラスの周りの温度が下がり、今まで溶けていた水分が「水」となって付くのです。
なぜエアコンを入れると解消されるのか
これも原理は簡単。エアコンは本来冷媒と呼ばれるガスなどを通した冷たい空気を送って空気を冷やす機能。これによって冷媒に近い場所では先ほどのグラスと同じ現象が起きます。
エアコンではグラスの表面にたまった水を外に排出するようになっていますから(家のエアコンで室外機近くから水が出ていたり、夏場の車から水が滴り落ちていたりするのを見たことがあると思います)、周囲の水分を水滴に変えて車の外へ排出しているのです。
水滴になって車外に出る→車内の空気中の水分が減る→ガラスで冷やされて付く水滴が減るという現象が起こるためエアコンを付けると曇りが解消されるのです。
では暖房でもエアコンをONにしたら曇りが解消されるのは?ですが、これは一旦エアコンで冷ました空気を再度温めて出しているからで、エアコンのユニット近くは冷たいのでここに水滴が溜まるというメカニズムなのです。つまり出てくる風は暖かいけど、エアコン周りは冷たいという2重のエネルギーを使っていることになりますから全くエコではないんですね。

ガラスの曇りを軽減する方法
エアコンを使わずにどうやって曇りにくくするのかをここから紹介します。
曇る(正確には曇って見える)のは、ガラスに付く水滴が細かいから。これを大きくすれば曇って見えなくなる=曇らないという環境ができます。この環境を作ってやればいくら湿度が上がっても曇りにくくなるのです。
ではどうやって??ということになりますが、大きくは
- 水が凝集しにくい環境にする
- 水が細かい水滴ではなく大きな水滴になるようにする
という2つの方法があります。順に紹介しますね。
まずは「水が凝集しにくい環境にする」方法。
これはズバリ「きれいにすること」です。ガラス面には静電気などで細かいほこりが付きます。実はこれに水が付くと埃が水を集められるだけ集めるようになります。すると・・・ほこりに集まった水同士がまた集まって・・・の繰り返しで曇るのです。
特にたばこの煙がガラスに付くと途端に曇りやすくなりますから喫煙者の方は特にこまめにガラスの拭き掃除をすることをおすすめします。
次に「水が細かい水滴ではなく大きな水滴になるようにする」方法。
これは化学的に行うのが簡単です。よく洗剤などで「界面活性剤」という物質が入っているのを見ますよね?ちょっと表現が極端ですけど、界面活性剤は固まって止まっている面を動かすことで洗剤で言えば繊維に固着した汚れを揺らして落ちやすくするという物質。
これをガラスの曇りを防ぐという目的で配合したものに「ガラスの曇り止め」があります


・・・専用品をいくつか紹介しましたけど、何もこれらを使う必要はありません。なぜかって?界面活性剤が入っているものなら何でも使えるからです。昔父親から「ママレモンを薄めてすすいだ雑巾で窓の内側を拭いておくと曇らない」と言われてやったら本当に曇りにくくなった経験があります。厳密にいえば界面活性剤もいろいろな種類が研究開発されていて、自動車ガラスの水滴に適したものが使われているのは確かですが、ママレモン(今でも販売してるのかなぁ・・・界面活性剤が入っている食器洗剤なら何でもOK)でも十分曇り防止ができます。
ただ1つ気を付けたいのがその他の物質。液が濃すぎると反射してギラギラしたりしますからほどほどにしてくださいね。
いかがでしたか?
それならいつでも拭けるように雑巾を1枚車に積んでおけば・・・この考えは△ですね。
前述したように細かい汚れに水はたまりやすいわけですから、何度も使って汚れた雑巾でガラスを拭いたら・・・お分かりですね。一時的に曇りの原因である水分を拭くのにはいい方法ですが、使ったら洗うようにしてくださいね。
特に雨の日など悪天候の時しか運転しない方、
と一緒にガラスの内側にも気を配って、ただでさえ運転しにくい環境で慣れていない運転をするなんていう危険な行為をするわけですから対策を万全にしておきましょう。
見えないのになんとか・・・は事故を起こす可能性が増えるだけではなく、誰かを巻き込んで不幸にしてしまうこともあるという自覚をしつつ自動車の運転はするようにしましょう。