WordPress公式サイトでいろいろ配布されているメルマガ用(ニュースレター用)プラグイン。結構操作や設定が大変だったり、ある程度以上の数は無料版では送れないなど残念なものが多いですね。
有名な「Subscribe2」は設定が何だか不可解で、基本的に公開した記事をあますところなく(公開前に個別に設定すれば送信しないようにもできる)メールが送られてしまうので迷惑メールととらえられてしまう可能性がありますし、「Mail poet」では直観的にメールの作成はできるものの2000通を超えるユーザーには無料で送信できないし、何より送ったメールが文字化けして見れたもんじゃない!!ですよね?
文字化けについては日本語は特殊なので仕方ない・・・とあきらめる、送信しないようにするのを忘れてじゃんじゃんメールが送られてしまう・・・どちらを我慢しますか??
いやいやどちらも我慢する必要がないプラグインがありました。名前は「ALO EasyMail Newsletter」。文字化け対策するのにちょっと手を加える必要があります(ページ下部に方法を紹介してます)が、使いやすいニュースレタープラグインだと思います。
ちょっと脱線しますけど、こうしたメールを送信するプラグインには大きく2種類あるのをご存知ですか?
1つは「Subscribe2」のように投稿を公開すると都度メールを送信する【投稿通知】を行うもの
もう1つは「Mail poet」のように独自のメールを送信する【ニュースレターの送信】を行うもの
どちらのプラグインも両方できるようにはなっていますが、得意なものは上の通りで、不得意なものはおまけと思った方がいいでしょう。
今回紹介する「ALO EasyMail Newsletter」は後者のプラグイン。投稿通知機能はありません。時折ニュースレターを送りたい方にピッタリのプラグインです。
もちろん読者登録に必要な機能も備えてますし、WordPressへ登録したユーザーへの送信もできますから、どちらの方法で読者を集めても大丈夫になっています。
作成もテンプレートを選んでメールの「件名」と「本文」を入力し、送信先を選択しておしまい!!という簡単作業。送信できたかどうかの詳細なレポートも用意されています。送信先の制限もありませんから長く使えるプラグインだと思います。
【ALO EasyMail Newsletter】プラグインの基本的な機能・できること
- 通常の投稿を作成する感覚で簡単にニュースレターを作成できる
- 読者登録・解除機能がある
- 既存のWordPressユーザーにも送信可能
- cron(予約機能)を使った送信ができる
- 送信先は無制限
- 詳細なレポート表示
本記事を参考にWordPressサイトへプラグインの導入を検討される方へ
WordPressは古くから無料で配布されているサイト作成ツール(CMS)で、随時改良が加えられており、さまざまなバージョンが存在します。
さらにWordPressを動かすためのプログラムであるPHP、サイトのデータを保存しておくためのデータベースについても様々なバージョンがあります。
そしてWordPress本体同様にプラグインについてもさまざまなバージョンが存在します。
本記事を参考にプラグインの導入をお考えの方は、以下に留意の上でインストールするようにしてください。
- テスト環境での動作に基づいた紹介記事ですので、すべての環境で正常に動作するかどうかは不明です
※本記事の内容についてはページ内に記載しているプラグインバージョンのものになります。現在のバージョンと異なる場合、機能や日本語対応の状況などが異なる場合があります。
※また、テスト環境、テストしたプラグインバージョン等の表示が本文内にない場合、ページタイトル下にある最終更新日当時の情報となりますので、現在のバージョンでは全く違う機能となっているかも知れません。 - プラグインに無料版と有料版(Pro版)がある場合、特に記載がなければ無料版の情報のみを紹介しています
- このページでプラグインを使用する際に必要なショートコードやコードなどは、コピーして使用することができますが、環境によっては記号などが文字化けすることがあります。コピーしたのに動作しない場合は特に「”」「’」などの記号を入力し直してみてください。
- プラグイン本体の動作不具合や質問などは公式サイトのフォーラムなどで行ってください(ここでは質問にお答えすることはできません)
【ALO EasyMail Newsletter】プラグインの設定画面や表示の日本語化と翻訳
当サイトで私が翻訳した【ALO EasyMail Newsletter】プラグインの日本語化ファイルを提供しています。
翻訳ファイルは
からダウンロードできます(ダウンロードの方法や日本語の適用方法なども解説しています)
翻訳することで設定が容易になり、重要な項目の設定漏れも少なくなりますから日本語化をお勧めします。
80%程度の翻訳ファイルは同梱されています
このプラグインにはバージョンアップに対応していないと思われる翻訳ファイルが同梱されています。プラグインフォルダの中の「languages」フォルダの中にある「〇〇-ja_JP.mo」という名前のファイルを「〇〇-ja.po」にリネームすれば翻訳されます。
上で配布しているファイルはこれを元に不思議な??翻訳がされている部分の修正と未翻訳の部分を解消したものになります。
【ALO EasyMail Newsletter】プラグインのインストールと設定
インストール方法
インストールはプラグインの新規追加でプラグイン名を入力して検索してインストールするか、WordPressのプラグイン公式配布ページからダウンロード後、管理画面からアップロードインストールしてください(プラグインの公式ページは本ページ内記載のリンクをクリック、もしくは、WordPress公式サイトで検索してください)。
WordPressを使い始めて間もない方(初心者の方)は、より詳細なプラグインのインストール手順や、インストール時に起こる問題などへの対処方法をまとめた【WordPress】プラグインのインストール&追加方法とエラー対処の方法も併せてご覧ください。
【ALO EasyMail Newsletter】プラグインの基本的な使い方
設定はダッシュボードから「ニュースレター」→「設定」で行います。日本語化すれば問題なく設定できると思います。
主な設定項目は
- 読者登録に関する項目や動作の設定
- ニュースレターの配信元や配信速度の設定
- バウンス(エラーとなったもの)の処理方法の設定
です。テストユーザーを作ったり、テスト購読者を登録したりしていろいろと調整するといいと思います。
読者の登録については以下の2通りの方法が使用できます
- ウィジェットでの表示/購読設定に応じてフォームを表示
- 通常のユーザー登録フォーム上に購読の確認を表示
※テスト環境ではユーザー登録フォームについてサードパーティプラグインのユーザー登録フォームでも表示されるようになりました。実環境で実際に登録などのテストをしてどのように動作するかの確認を行うようにしてください。
※フォームから読者登録した方、ユーザー登録フォームで読者登録のチェックを外さなかった方のみがこのプラグインの「購読者」として登録されます
また、既存のユーザーからのインポート、CSVファイルからのインポートに対応していますので、他のニュースレタープラグインなどからの移行もしやすいと思います。
ニュースレターの作り方と配信方法
ダッシュボードから「ニュースレター」→「新しく追加」をクリックします。
すると・・・見たことのある画面が出てきます。なんと普通の投稿編集画面なんです(これが一番違和感なく使えるところです)
追加されているのは「テーマ」「プレースホルダー」「受信者」の3つです。
まずテーマですが、いろいろなパターンのテーマが用意されているので適宜選択してください(プレビュー表示もできます)。投稿編集画面のタイトルがメールの件名、本文がメール本文になります。
次に受信者の設定は「読者の中から選択(読者リスト)」か「ユーザー権限から選択」から選べます。選んだ後で下書き保存をすると何件の宛先にメールが送信されるかが確認できます。テストする際は「管理者」にだけ送信するようにすれば既存のユーザーがある場合にも影響がないと思います。
最後にプレースホルダー。これは本文内に挿入することで自動的に抽出したり挿入したりできるショートコードのようなものです。これが非常に便利です
[POST-TITLE] 選択された投稿のタイトルリンク このタグは件名でも有効です. このURLへの訪問をトラックします
[POST-EXCERPT] 投稿の抜粋(あれば) 空白の場合、投稿の最初の文字が使われます。
[POST-CONTENT] 投稿の本文
[POST-THUMB] アイキャッチ画像
[POST-GALLERY] 投稿のイメージギャラリー
[USER-NAME] 登録ユーザーの名前と名字 (購読者向け:登録に使われた名前). このタグは件名でも有効です.
[USER-FIRST-NAME] 登録ユーザーのファーストネーム (購読者向け:登録に使われた名前). このタグは件名でも有効です.
[USER-EMAIL] 購読者のメールアドレス.
[USER-UNSUBSCRIBE] 購読解除の文字とURL (設定ページでこのテキストをカスタマイズできます.)
[USER-UNSUBSCRIBE-URL] 購読解除用URL
[READ-ONLINE] オンラインバージョンへのリンクとテキスト (設定ページでこのテキストをカスタマイズできます). このURLへの訪問をトラックします
[READ-ONLINE-URL] オンラインバージョンへのURL このURLへの訪問をトラックします
[TITLE] ニュースレターのタイトル
[DATE] ニュースレターの日付
[THUMB] ニュースレターの投稿サムネイル
[GALLERY] ニュースレターのイメージギャラリー
[SITE-LINK] サイトへのリンク. このURLへの訪問をトラックします
[SITE-URL] サイトへのURL. このURLへの訪問をトラックします
[SITE-NAME] サイトのタイトル
[SITE-DESCRIPTION] キャッチフレーズ
[LATEST-POSTS] 公開された最新の投稿リスト
いろいろな情報が自動生成されるようになっています。
ニュースレターが完成したら通常の投稿と同様に「公開」をクリックします。
※読者グループを指定した場合にはすぐに送信が開始されます
※ユーザー権限を指定した場合には一旦保存された状態になりますので
- ダッシュボードから「ニュースレター」をクリック
- 一覧にある「受信者のリストを作成」をクリック
- 内容を確認して「送信キューに追加(送信速度の設定に応じて予約送信されます)」または「今すぐ送信」をクリック
これでニュースレターが送信されます。簡単ですね。
メールの送信状況や結果はダッシュボードに追加されたウィジェットや「ニュースレター」の一覧で確認できます
【ALO EasyMail Newsletter】プラグインの便利な使い方・カスタマイズ方法など
より便利に使うカスタマイズ技やテストサイトで使用した結果や感想、WordPressのプラグイン公式配布ページには書かれていない事柄などを紹介します。
日本語の宿命「文字化け」を最大限防ぐ方法
テスト環境でこのプラグインを使って普通にメールを送信してみると・・・完全に文字化けしました(メーラーによっては大丈夫かもしれません)
メールのテーマで書かれている文字コードを変更しても反映されませんでした(メールのソースは変わっても自動変換されませんでした)。
この不具合はプラグインのものではなく、標準でインストールされている
の設定との競合でした。公式サイトにも書かれている通り、メールの文字コードを変更したところうまく送信できるようになりました。
手順は以下の通りです
- 「WP Multibyte Patch」のプラグインフォルダの中にある「wpmp-config-ja-sample.php」をFTPなどを使ってパソコンに保存
- ファイルを開き、58行目あたりにある「$wpmp_conf[#039;mail_mode#039;] = #039;JIS#039;;」というコードのJISの文字をUTF-8へ変更
- 上書き保存後「wpmp-config.php」に名前を変更
- FTPなどを使って「WordPressのインストールフォルダ」→「wp-content」の中へファイルをアップロード
これでこのプラグインでの文字化け問題は解消しました。ただし、その他のメールを送信する機能(WordPress標準のユーザー登録等のメールやその他のプラグインが送信するメール)で不具合が出ることがありますので、十分にテストを行ってから使用することをおすすめします。
もしも不具合が出たら、前述した手順の4で転送した「wpmp-config.php」というファイルを削除すれば元に戻ります(このプラグインの文字化けが改善される前の状態に戻ります)
ファイルの作成が面倒・・・という方はこちらからダウンロードできます(要ユーザー登録)
このファイルは言語をUTF-8にするほか、私のサイトで発生したクイックタグ系のプラグインと併用したときに投稿編集画面のlinkボタンが正常に動作しない不具合を解消するためのコードも含まれています。
SSL化したサイトではレポートが表示できないことがある
テストサイト(非SSL)では出なかったエラーがSSL化したサイトでは発生しました。
ニュースレターの一覧からレポートをクリックすると
こんな画面が表示されます。
通常であればファイルパーミッションの問題?となるところですが、デベロッパーツールでエラー内容を見てみると403エラー(拒否)が出ている=サーバーセキュリティの問題だと思われたので
を参考に管理画面でのSSL通信を有効にし、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)の問題かと思いサーバーの設定でOFFにしてみたのですがうまくいきませんでした。
解消できたらまた追記しますが、もしも解決方法について何かご存知のことがあればページ下の問い合わせフォームから情報いただけると幸いです。
※レポート表示のみの問題でその他動作は大丈夫でした
プラグインのテスト環境&個人的評価
最後に【ALO EasyMail Newsletter】を動作確認した際の環境と個人的な評価を書いておきます。導入の検討や参考になれば幸いです。
テストした環境
- テストサーバー:カラフルボックス
- WordPressのバージョン:4.9.0
- PHPのバージョン:7.0
- テーマ:Simplicity2 バージョン2.3.0g
- プラグインのバージョン:本記事で紹介しているバージョン 2.9.8/最新バージョン 公式サイトで “alo-easymail” は配布されていません
- 公式サイト(wordpress.org上):https://wordpress.org/plugins/alo-easymail/
- 公式サイト(作者サイト):
個人的な評価・感想ほか
- 設定のしやすさ:★★★★★
- 使いやすさ:★★★★★
- おすすめ度:★★★☆☆
使い勝手のいいニュースレタープラグインに出会った!!と感動すら覚えたのですが、前述したように使ってみると調整が必要だったり、SSLサイトでのレポートの問題が出てしまい、インストールすればすぐに使える・・・というものではありませんでしたのでおすすめ度を3としました。