WordPressにはユーザー登録を行う機能はありますが、自身で退会する(ユーザー削除する)機能がないのをご存知ですか??
サイトの作りてからすると「登録してほしい」「退会されたくない」わけですから特に気にならない機能だと思うかもしれませんが、登録する側からすればいつまでも自身の情報が残るというのはちょっと・・・と思われることもあるかもしれません。
そんな観点から最近よく使われる捨てメールアドレスサービスやGmailなどで複数アドレスを取得して登録する場合が多くなってきているのでは?と思います(私も会員制のコンテンツがあるサイトで登録するかどうかの判断基準に「退会できるようになっているか?」というのを気にするようになってきました)。
WordPressのサイトでこれを行うには「Contact Form 7」などのフォームメールプラグインを使って
- 管理者へ退会希望のメールを送ってもらう
- 管理者が手動で削除する
という段取りを踏むのがよくある手段ですが、ユーザーの多いサイトでは大変な作業になることもありますね。
そこでおすすめしたいのが今回紹介する「Delete Me」。「Delete Me」はユーザー自身がアカウントの削除(ユーザー登録の削除)を行う機能を実装できるプラグインです。
読者登録してもらったり投稿してもらったりするようなサイトを作るときにはぜひ使いたいプラグインだと思います。
【Delete Me】プラグインの基本的な機能・できること
- ユーザー自身が退会の処理を実行できる
- 退会されたことを管理者へメールで通知する
- 退会したユーザーが行った投稿はゴミ箱へ移動される
- 退会したユーザーが行ったコメントは削除するかどうか選択できる
※ユーザーが投稿した記事がゴミ箱へ移動されてしまうので、他ユーザーに自動で紐づけしたいという場合には文末にリンクを張ってある「Never Let Me Go」プラグインのほうが便利です。
本記事を参考にWordPressサイトへプラグインの導入を検討される方へ
WordPressは古くから無料で配布されているサイト作成ツール(CMS)で、随時改良が加えられており、さまざまなバージョンが存在します。
さらにWordPressを動かすためのプログラムであるPHP、サイトのデータを保存しておくためのデータベースについても様々なバージョンがあります。
そしてWordPress本体同様にプラグインについてもさまざまなバージョンが存在します。
本記事を参考にプラグインの導入をお考えの方は、以下に留意の上でインストールするようにしてください。
- テスト環境での動作に基づいた紹介記事ですので、すべての環境で正常に動作するかどうかは不明です
※本記事の内容についてはページ内に記載しているプラグインバージョンのものになります。現在のバージョンと異なる場合、機能や日本語対応の状況などが異なる場合があります。
※また、テスト環境、テストしたプラグインバージョン等の表示が本文内にない場合、ページタイトル下にある最終更新日当時の情報となりますので、現在のバージョンでは全く違う機能となっているかも知れません。 - プラグインに無料版と有料版(Pro版)がある場合、特に記載がなければ無料版の情報のみを紹介しています
- このページでプラグインを使用する際に必要なショートコードやコードなどは、コピーして使用することができますが、環境によっては記号などが文字化けすることがあります。コピーしたのに動作しない場合は特に「”」「’」などの記号を入力し直してみてください。
- プラグイン本体の動作不具合や質問などは公式サイトのフォーラムなどで行ってください(ここでは質問にお答えすることはできません)
【Delete Me】プラグインの設定画面や表示の日本語化と翻訳
【Delete Me】プラグインは言語の変更に未対応ですので表示のまま設定することになります
【Delete Me】プラグインのインストールと設定
インストール方法
インストールはプラグインの新規追加でプラグイン名を入力して検索してインストールするか、WordPressのプラグイン公式配布ページからダウンロード後、管理画面からアップロードインストールしてください(プラグインの公式ページは本ページ内記載のリンクをクリック、もしくは、WordPress公式サイトで検索してください)。
WordPressを使い始めて間もない方(初心者の方)は、より詳細なプラグインのインストール手順や、インストール時に起こる問題などへの対処方法をまとめた【WordPress】プラグインのインストール&追加方法とエラー対処の方法も併せてご覧ください。
【Delete Me】プラグインの基本的な使い方
日本語化できないプラグインなので英語を解読して設定することになりますが、単純な単語ばかりなので問題ないと思います。
設定はダッシュボードから「設定」→「Delete Me」で行います。画面はこんな感じです(プラグイン公式ページのリンク画像です)
項目は
Which roles can delete themselves?
ユーザーが自分で登録を削除できるようにする権限を設定します(管理者権限は選択できないようになっているので誤って削除してしまう心配は少ないと思います)
Your ProfileとShortcode
Your Profileの項目はバックエンドのユーザープロフィールから登録削除できるようにするときの設定、Shortcodeは固定ページなどへ登録削除リンクを表示して登録削除できるようにするときの設定項目です。
Your Profileの設定
ユーザープロフィール画面に削除用のリンクを表示しない場合にはLink Enabledにチェックを入れます。
Link/登録削除用リンクの文字列です
Confirm Heading/削除確認用画面のヘッダー文字列です
Confirm Warning /削除確認用画面の本文文字列です
Confirm Password/削除確認用画面のパスワード入力項目の文字列です
Confirm Button/削除確認用画面の確認ボタンの文字列です
Landing URL/登録削除後のリダイレクト先です
ショートコードの種類と使い方
[plugin_delete_me /]
単純に「登録解除」用のリンクを表示します。ログインしていない場合には空白になります。
[plugin_delete_me]Text inside Shortcode tags[/plugin_delete_me]
未登録のユーザーや未ログインのユーザーに対して登録削除用リンクの代わりに文字列を表示する場合に使用します
※Text inside Shortcode tagsの部分に表示したい文字列を設定します
マルチサイト運営で共通のユーザーを同時削除するかどうかの設定です
Miscellaneous
登録削除後の動作設定です
Delete Comments /登録削除したユーザーが行ったコメントを削除するかどうか
E-mail Notification/登録削除されたユーザーがいたことを管理者へメール通知するか
プラグインのテスト環境&個人的評価
最後に【Delete Me】を動作確認した際の環境と個人的な評価を書いておきます。導入の検討や参考になれば幸いです。
テストした環境
- テストサーバー:カラフルボックス
- WordPressのバージョン:4.9.2
- PHPのバージョン:7.0
- テーマ:Simplicity2 バージョン2.3.0g
- プラグインのバージョン:本記事で紹介しているバージョン 2.2/最新バージョン 3.2
- 公式サイト(wordpress.org上):https://wordpress.org/plugins/delete-me/
- 公式サイト(作者サイト):
個人的な評価・感想ほか
- 設定のしやすさ:★★★★★
- 使いやすさ:★★★★★
- おすすめ度:★★★★★
同じように退会処理を行うプラグインに
というプラグインがあります。このプラグインとの大きな違いは
- 退会したことが管理者へ知らされるかどうか?
- 退会したユーザーが行った投稿やコメントなどを他のアクティブユーザーに移管できるか?
ということなどです。単純に退会処理を行うだけでなく、
などを使って次回の登録をさせないようにする(登録/退会を繰り返すユーザーを排除する)ような機能を追加すしたいときには今回紹介する【Delete Me】のほうがいいと思います。