WordPressはブログ+αのサイト作成・管理ツールなので、もともとコメントという訪問者が感想などを投稿する、いわゆる足跡を残せる機能は備わっています。
そしてコメント機能をカスタマイズすれば、情報や感想を収集して表示する口コミ系のサイトもできます。
ただ、サイトによっては、コメントはコメント、口コミ情報は口コミ情報として独立させたい場面もあるのではないでしょうか?
今回紹介する「Gwolle Guestbook」は、WordPressのコメント機能はそのままに、コメントとは独立した情報収集機能(ゲスト投稿機能)を追加できるプラグイン。IDを付与することで各固定ページ・各投稿それぞれに投稿された情報を独立して一覧表示できるのも魅力のプラグインです。
似た機能を持つプラグインに「Site Reviews」という名前のものがあります。こちらは 「Gwolle Guestbook」の無料版にはない星評価機能を標準搭載していて、口コミ情報の収集という意味では重宝するかと思いますので、比べてみてよりご自身の用途に合ったものを選ぶとよいでしょう。個人的な意見ではありますが、設定のしやすさから「Gwolle Guestbook」がおすすめです。
HTMLソース上で確認した限りでは、本プラグインのショートコードが挿入された場合のみ、プラグインのスタイルシートやスクリプトが読み込まれるように設計されているため、ゲストブックを設置していないページでは表示速度等に影響がないのも、私がおすすめする魅力の1つです。
【Gwolle Guestbook】プラグインの用途や機能
- フロントエンドから、コメントとは別にレビュー(口コミ情報や感想など)を投稿する機能を追加できる
- ログインユーザーのみ、またはゲストも含むすべての方から投稿できるようにすることもできる
- 簡易スパム対策、他のスパム対策プラグインと連携したスパム対策ができる
- 投稿はそのまま公開、または編集権限のあるユーザーでの承認による公開が選択できる
- 投稿者、管理者へメールによる通知ができる
- その他
こちらのページ(「OnePress」という公式配布テーマのデモとして私が作成したサイト内)でデモ表示させていますので、実際に投稿してみるなどお試しください。
後述する複数のゲストブックを同一ページ内に設置する方法のデモも兼ねていますので、それぞれのゲストブックへ投稿してきちんと個別に一覧表示されるかなどもお試しいただけます。
無料版ではコメントの延長(本文を書くことができる)のような仕様ですが、有料アドオンを追加すると星評価の追加などいろいろなことができるようです(無料版のみの試用のため、有料アドオンの動作や機能の詳細については未確認です)
本ページを最後に編集したときの環境・バージョンなど
プラグインは製作者によって日々更新されていくため、この紹介記事が最新バージョンのものであるとは限りません。参考までに本記事の最終更新日時点におけるテスト環境、プラグインバージョン、プラグイン導入時の留意点などを記載しておきます。
プラグインを使用(試用)したテスト環境・公式ページなど
この紹介記事作成にあたって、試用(テスト)を行った環境、本記事で紹介するプラグインバージョン、現在配布されている最新バージョン、公式ページのリンク等は以下の通りです。
- テストサーバー:カラフルボックス
- WordPressのバージョン:5.8
- PHPのバージョン:7.4.15(8.0でも動作しました)
- テーマ:HABONE(このサイトでも使用中のオリジナルテーマ)
- プラグインのバージョン:本記事で紹介しているバージョン 4.1.2/最新バージョン 4.7.1
- 公式サイト(wordpress.org上):https://wordpress.org/plugins/gwolle-gb/
- 公式サイト(作者サイト):
本記事を参考にWordPressサイトへプラグインの導入を検討される方へ
WordPressは古くから無料で配布されているサイト作成ツール(CMS)で、随時改良が加えられており、さまざまなバージョンが存在します。
さらにWordPressを動かすためのプログラムであるPHP、サイトのデータを保存しておくためのデータベースについても様々なバージョンがあります。
そしてWordPress本体同様にプラグインについてもさまざまなバージョンが存在します。
本記事を参考にプラグインの導入をお考えの方は、以下に留意の上でインストールするようにしてください。
- テスト環境での動作に基づいた紹介記事ですので、すべての環境で正常に動作するかどうかは不明です
※本記事の内容についてはページ内に記載しているプラグインバージョンのものになります。現在のバージョンと異なる場合、機能や日本語対応の状況などが異なる場合があります。
※また、テスト環境、テストしたプラグインバージョン等の表示が本文内にない場合、ページタイトル下にある最終更新日当時の情報となりますので、現在のバージョンでは全く違う機能となっているかも知れません。 - プラグインに無料版と有料版(Pro版)がある場合、特に記載がなければ無料版の情報のみを紹介しています
- このページでプラグインを使用する際に必要なショートコードやコードなどは、コピーして使用することができますが、環境によっては記号などが文字化けすることがあります。コピーしたのに動作しない場合は特に「”」「’」などの記号を入力し直してみてください。
- プラグイン本体の動作不具合や質問などは公式サイトのフォーラムなどで行ってください(ここでは質問にお答えすることはできません)
【Gwolle Guestbook】プラグインの設定画面や表示画面の日本語化と翻訳
当サイトで私が翻訳した【Gwolle Guestbook】プラグインの日本語化ファイルを提供しています。翻訳ファイルについての詳しい説明は以下のページをご覧ください。
※翻訳することで設定が容易になり、重要な項目の設定漏れも少なくなりますから日本語化をお勧めします。
【Gwolle Guestbook】プラグインのインストールと設定方法
インストール方法
インストールはプラグインの新規追加でプラグイン名を入力して検索してインストールするか、WordPressのプラグイン公式配布ページからダウンロード後、管理画面からアップロードインストールしてください(プラグインの公式ページは本ページ内記載のリンクをクリック、もしくは、WordPress公式サイトで検索してください)。
WordPressを使い始めて間もない方(初心者の方)は、より詳細なプラグインのインストール手順や、インストール時に起こる問題などへの対処方法をまとめた【WordPress】プラグインのインストール&追加方法とエラー対処の方法も併せてご覧ください。
基本的な設定方法と使用方法
設定はプラグインを有効化すると管理画面左メニューが追加されるので、そこから「Setting」を開いて行います。主な設定内容は以下の通りです。
- フォームへ含める要素の指定(名前・メールアドレスなど...)
- 投稿できる人はユーザーなのか?誰でもOKなのか?の設定
- 一覧へ表示する項目の設定
- スパム対策に関する設定
- 文字の制限やブラックリストの管理
- 通知メールを送信するシーンとメールの内容
設定が終わったら以下のショートコードを投稿や固定ページへ挿入すれば、フォームと一覧が表示されるボタンがページ内に表示されます。
ショートコードの使用方法については次項の内容も併せてご覧ください
ゲストブックのタイトルや説明などは、通常の投稿のように見出しなどを使って自身で作成する必要がありますが、個人的にはその方が利用用途が広がっていいのではないかと思います。
【Gwolle Guestbook】プラグインの便利な使い方・カスタマイズ方法など
このプラグインをより便利に使うカスタマイズ技、テストサイトで使用した結果や感想、WordPressのプラグイン公式配布ページには書かれていない情報、補足情報、発見した不具合などを紹介します。
投稿や固定ページごと、または同一ページ中に複数の異なるゲストブックを作る方法
公式ページに書かれているもの+テストした補足事項です。
このプラグインで通常使うのは、以下のショートコードです。
[gwolle_gb]
前述している通り、このショートコードを追加した場所に、「レビュー投稿用のフォーム」と「フォームから投稿されたレビューの一覧」が表示される仕組みになっています。
ただ、このプラグインが秀逸な点として、同一の固定ページまたは投稿へ複数のゲストブックを設置したり、固定ページや投稿にそれぞれ違うゲストブックを設置することができます。
その場合は以下のようにショートコードを記述します。
[gwolle_gb book_id="〇〇"]
この中のbook_id=”〇〇”の場所を任意の半角英数字にすることで、別のゲストブックという扱いになり、それぞれ独立したものを作ることができるようになっています。
ただし、テストした環境では
[gwolle_gb]
と
[gwolle_gb book_id="1"]
は同じものとみなされます(プラグインのソースで確認)。ちなみに別の投稿記事へ通常のショートコードを挿入したところ、投稿したものはやはりIDが1になりました。
従って、別のゲストブックを作成するときは、idの部分の数字が「1」以外のものを使う必要があると考えられます。
ただ、あくまでもテストでいくつかのゲストブックを作った検証結果ですので、どこかのタイミング?機会で通常のショートコードを挿入した場合にはIDが「2」「3」などになる可能性がありますから、複数のゲストブックを作る場合のIDはすごく大きな数字にすると、後々困ることがないかも知れません。
また、このプラグインではフォームと一覧がセットになってゲストブックIDが振られているので、例えば「book_id=500」と「book_id=1000」の一覧を混ぜて表示させたり、一覧だけを表示させることはできないようです。
フォームのみを表示させる、投稿一覧だけを表示させる方法
このプラグインは、通常のショートコードを入れると、一覧とフォームが表示されます
[gwolle_gb]
ゲストブックフォームだけを表示させる
フォームだけを表示させたい場合は以下のショートコードを使います
[gwolle_gb_write]
また、フォームのショートコードへ「book_id=”〇〇”」というパラメーターを付与して他のゲストブックと独立させることもできます。
[gwolle_gb_write book_id="〇〇"]
さらにこのショートコードでは、フォームがそのまま表示されてしまうので、ボタンにしたい場合には「button=”true”」というパラメーターを追加して、以下のようにします。
[gwolle_gb_write book_id="〇〇" button="true"]
一覧だけを表示させる
一覧だけを表示させたい場合は以下のショートコードを使います
[gwolle_gb_read]
こちらも、「book_id=”〇〇”」でフォームに対応した投稿のみを表示させたり、「num_entries=”〇〇”」で表示数を指定できたり、「num_words=”〇〇”」で1件に表示する単語数を調整したりできます。完全なショートコードは以下の通りです。
[gwolle_gb_read book_id="〇〇" num_entries="〇〇" num_words="〇〇"]
すごく柔軟にいろいろできて本当に便利です。
このページの更新履歴
更新日 | 更新内容 |
---|---|
2021年 8月28日 | 投稿や固定ページへ任意の短文投稿(レビューや口コミ情報など)を投稿してもらう機能が追加できるプラグイン「Gwolle Guestbook」を公開しました |
2021年11月 5日 | ショートコードのパラメーターの付与方法を追加しました |