WordPressでは実にいろいろなプログラムでデータベースからデータを引っ張ってテーマを通じて表示するという作業を行っていることは、テーマやプラグインのコードを見たことがある方ならご存知のはずです。
そこで登場するのがページ全体を一時的にhtmlページとして書き出しておいて、一定時間中はそのページを表示させることで表示速度を飛躍的に改善しようという、いわゆるキャッシュプラグイン。確かに効果的ではありそうですが、導入したらサーバーによってはファイルの所有権エラーなどによってサイトが真っ白・・・になってしまったり、あまりアクセスのないページが多いサイトでは、キャッシュを作るための時間が逆にかかって表示速度がかえって遅くなる・・という現象も発生するのがこの類のプラグインの怖いところですね。
案の定キャッシュ系プラグインであまり効果が得られなかった方は、元に戻して(これも結構苦労するものが多いです)、【Autoptimize】などのプラグインを使って、コードの圧縮などを行うにとどめるという形を取ることが多いと思います。
でも何かうまく表示速度の改善ができないものか・・・で見つけたのが今回紹介する【Widget Output Cache】です。
【Widget Output Cache】はWordPressのほとんどのテーマで挿入可能となっているウィジェットに対してだけキャッシュを有効にして速度改善を行うプラグインで、特にRSSなど外部の情報を取得して表示するようなウィジェットを使っている場合には有効かと思います。
【Widget Output Cache】プラグインの基本的な機能・できること
- ウィジェットの内容をキャッシュ(一時保存)して表示を高速化する
本記事を参考にWordPressサイトへプラグインの導入を検討される方へ
WordPressは古くから無料で配布されているサイト作成ツール(CMS)で、随時改良が加えられており、さまざまなバージョンが存在します。
さらにWordPressを動かすためのプログラムであるPHP、サイトのデータを保存しておくためのデータベースについても様々なバージョンがあります。
そしてWordPress本体同様にプラグインについてもさまざまなバージョンが存在します。
本記事を参考にプラグインの導入をお考えの方は、以下に留意の上でインストールするようにしてください。
- テスト環境での動作に基づいた紹介記事ですので、すべての環境で正常に動作するかどうかは不明です
※本記事の内容についてはページ内に記載しているプラグインバージョンのものになります。現在のバージョンと異なる場合、機能や日本語対応の状況などが異なる場合があります。
※また、テスト環境、テストしたプラグインバージョン等の表示が本文内にない場合、ページタイトル下にある最終更新日当時の情報となりますので、現在のバージョンでは全く違う機能となっているかも知れません。 - プラグインに無料版と有料版(Pro版)がある場合、特に記載がなければ無料版の情報のみを紹介しています
- このページでプラグインを使用する際に必要なショートコードやコードなどは、コピーして使用することができますが、環境によっては記号などが文字化けすることがあります。コピーしたのに動作しない場合は特に「”」「’」などの記号を入力し直してみてください。
- プラグイン本体の動作不具合や質問などは公式サイトのフォーラムなどで行ってください(ここでは質問にお答えすることはできません)
【Widget Output Cache】プラグインの設定画面や表示の日本語化と翻訳
【Widget Output Cache】プラグインは有効化すると日本語で使用できるようになっていますので、英語が分からない方でも安心して使えます
【Widget Output Cache】プラグインは言語の変更に未対応ですので表示のまま設定することになりますが設定はウィジェットにキャッシュを適用するか否かの選択部分だけなので問題ありません。
【Widget Output Cache】プラグインのインストールと設定
インストール方法
インストールはプラグインの新規追加でプラグイン名を入力して検索してインストールするか、WordPressのプラグイン公式配布ページからダウンロード後、管理画面からアップロードインストールしてください(プラグインの公式ページは本ページ内記載のリンクをクリック、もしくは、WordPress公式サイトで検索してください)。
WordPressを使い始めて間もない方(初心者の方)は、より詳細なプラグインのインストール手順や、インストール時に起こる問題などへの対処方法をまとめた【WordPress】プラグインのインストール&追加方法とエラー対処の方法も併せてご覧ください。
【Widget Output Cache】プラグインの基本的な使い方
設定項目はありません。各ウィジェットに画像のようなチェックボタンが表示されます
※ここにチェックを入れるとキャッシュされないようになります
【Widget Output Cache】プラグインの便利な使い方・カスタマイズ方法など
より便利に使うカスタマイズ技やテストサイトで使用した結果や感想、WordPressのプラグイン公式配布ページには書かれていない事柄などを紹介します。
キャッシュ時間を調整する方法
このプラグインには設定画面がなく、キャッシュ時間の設定は基本的に12分となっていますが、簡単には変更はできません。
すごくたくさんアクセスのあるサイトならともかく、1つの記事でこの時間にアクセスされるのは・・・でしょうから、キャッシュ時間の延長はしたいところですね。
そこで公式フォーラムで紹介されていたコードを紹介しておきます。少しカスタマイズして24時間にしてあります
add_filter( 'widget_output_cache_ttl', 'widget_cache_custom_ttl', 10, 2 );
function widget_cache_custom_ttl( $ttl, $widget_args ) {
// Set custom expiration time in seconds for each widget
$map_ttl = array(
'your_widget_id' => 86400,
'another_widget_id' => 86400
);
$widget_id = $widget_args['widget_id'];
if ( isset( $map_ttl[ $widget_id ] ) )
return $map_ttl[ $widget_id ];
return $ttl;
}
このコードをテーマのfunctions.phpへ追記するだけです。
コードの中に
'your_widget_id' => 86400,
'another_widget_id' => 86400,
の2行がありますが、基本的には上のyour_widget_idのみ設定すればいいようです。
プラグインのテスト環境&個人的評価
最後に【Widget Output Cache】を動作確認した際の環境と個人的な評価を書いておきます。導入の検討や参考になれば幸いです。
テストした環境
- テストサーバー:カラフルボックス
- WordPressのバージョン:4.9.6
- PHPのバージョン:7.0
- テーマ:Simplicity2 バージョン2.3.0g
- プラグインのバージョン:本記事で紹介しているバージョン 0.5.2/最新バージョン 公式サイトで “” は配布されていません
- 公式サイト(wordpress.org上):https://wordpress.org/plugins/widget-output-cache/
- 公式サイト(作者サイト):
個人的な評価・感想ほか
- 設定のしやすさ:★★★★★
- 使いやすさ:★★★★★
- おすすめ度:★★★☆☆
確かに速度は改善している感じはしますが、本当にこのプラグインの効果なのか??はしばらく様子を見て判断するしかなさそうです。