WordPressのいろいろな場面で送信されるメールを不思議に思ったことありませんか?
例えば
- ユーザー登録したとき
- ユーザーがパスワードを再発行したときや変更したとき
- メールフォームプラグインなどに入力して送信したとき
- コメントされたとき
- コメントに返信したとき
などなど、便利にも勝手に?メールが送信されますね。
ここで疑問。普通メールソフトやウェブメールでメールを送信するときは、メールの送信サーバーの設定をしますよね?しないとメールは送信されませんね?でもなぜかWordPressは・・・不思議ですねぇ・・・。
このプラグインを紹介する前に、メールの仕組みについてもう少し詳しく説明した方がよりこのプラグインの役割を理解できるのではと思いますので、ちょっと脱線してそちらを解説させていただきます。「知ってるよ!」という方は読み飛ばしてください。
WordPressからメールが送信される仕組みと問題点
通常メールが送受信される仕組みを簡単に説明すると
- 送信者が内容を作って送信ボタンをクリックする
- 設定されたSMTPサーバー(送信サーバー)を通じてメールが送られる
- 相手先のpopサーバー(受信サーバー)にメールが届く
- 相手がメールを受信する
という手順になっています。対してWordPressでは、php mailという仕組みを使ってメールを送信しています。このphp mailというのは、メールを作ったらWordPressが稼働しているサーバー(通常はレンタルサーバー)を通じてメールを送信しなさいという、いわばSMTPを代行してくれるサーバーを通じて送信されています。
通常のプロセスで配信されるメールとは異なるため、一番困るのは、受信する環境によってはスパム扱いされて「迷惑メール」として認識されたり、メールそのものが届かなかったりすることがあるということです。管理者宛メールでもこのケースはあり得ますのでご自身で体験された方も多いのではないでしょうか??
以上が基本的なメール配信の仕組みとWordPress標準のメール機能で起きる問題についての解説になります。拙い解説でしたが何となく理解いただけたでしょうか?php mailについてもっと詳しく知りたい!という方は自身で検索などしてみてくださいね。
話を戻して・・・今回紹介する「WP Mail SMTP」は、問題が発生することがあるWordPress標準のメール機能を元のメール送信プロセスに戻してエラーが発生するのを抑制しようという目的で作られたプラグインになります。
「WP Mail SMTP」以外にも同様の機能を持つプラグインがいくつかありましたが、さすがはたくさんの方が使っているプラグインだけあって、他ではほとんど搭載されていない「メールが届かなかったときに通知する」機能や、各種メール配信サービスでメールを配信できるようにする設定が簡単にできるのが特徴です。
【WP Mail SMTP】プラグインの用途や機能
通常のPHPメールの代わりに
- Sendinblueを使ったメール配信ができる
- Mailgunを使ったメール配信ができる
- SendGridを使ったメール配信ができる
- Gmailを使ったメール配信ができる
- その他SMTPを使ったメール配信ができる
ようになります。メールマガジンを配信したいときや、標準のメーラーで送ったメールがスパム扱い(迷惑メール)になるといった問題が解消できるようになります。
この紹介記事を最後に編集したときの環境・バージョンなど
プラグインは製作者によって日々更新されていくため、この紹介記事が最新バージョンのものであるとは限りません。参考までにこの記事の最終更新日時点におけるテスト環境、プラグインバージョン、プラグイン導入時の留意点などを記載しておきます。
プラグインを使用(試用)したテスト環境
- テストサーバー:カラフルボックス
- WordPressのバージョン:5.2.3
- PHPのバージョン:7.3.11
- テーマ:HABONE(オリジナルテーマ)
- プラグインのバージョン:本記事で紹介しているバージョン 1.6.2/最新バージョン 4.3.0
- 公式サイト(wordpress.org上):https://wordpress.org/plugins/wp-mail-smtp/
- 公式サイト(作者サイト):
本記事を参考にWordPressサイトへプラグインの導入を検討される方へ
WordPressは古くから無料で配布されているサイト作成ツール(CMS)で、随時改良が加えられており、さまざまなバージョンが存在します。
さらにWordPressを動かすためのプログラムであるPHP、サイトのデータを保存しておくためのデータベースについても様々なバージョンがあります。
そしてWordPress本体同様にプラグインについてもさまざまなバージョンが存在します。
本記事を参考にプラグインの導入をお考えの方は、以下に留意の上でインストールするようにしてください。
- テスト環境での動作に基づいた紹介記事ですので、すべての環境で正常に動作するかどうかは不明です
※本記事の内容についてはページ内に記載しているプラグインバージョンのものになります。現在のバージョンと異なる場合、機能や日本語対応の状況などが異なる場合があります。
※また、テスト環境、テストしたプラグインバージョン等の表示が本文内にない場合、ページタイトル下にある最終更新日当時の情報となりますので、現在のバージョンでは全く違う機能となっているかも知れません。 - プラグインに無料版と有料版(Pro版)がある場合、特に記載がなければ無料版の情報のみを紹介しています
- このページでプラグインを使用する際に必要なショートコードやコードなどは、コピーして使用することができますが、環境によっては記号などが文字化けすることがあります。コピーしたのに動作しない場合は特に「”」「’」などの記号を入力し直してみてください。
- プラグイン本体の動作不具合や質問などは公式サイトのフォーラムなどで行ってください(ここでは質問にお答えすることはできません)

【WP Mail SMTP】プラグインの設定画面や表示の日本語化と翻訳
当サイトで私が翻訳した【WP Mail SMTP】プラグインの日本語化ファイルを提供しています。翻訳ファイルについての詳しい説明は以下のページをご覧ください。
このプラグインではメール配信を行う設定項目自体の項目は少ないので何とか設定できそうですが、実際に翻訳してみると、設定エラーが出たときの原因や改善方法、運営し始めてからのエラーなどについての説明文が多いため、日本語化しておいた方がエラー発生時には解決が早いと思います。
【WP Mail SMTP】プラグインのインストールと設定
インストール方法
インストールはプラグインの新規追加でプラグイン名を入力して検索してインストールするか、WordPressのプラグイン公式配布ページからダウンロード後、管理画面からアップロードインストールしてください(プラグインの公式ページは本ページ内記載のリンクをクリック、もしくは、WordPress公式サイトで検索してください)。
WordPressを使い始めて間もない方(初心者の方)は、より詳細なプラグインのインストール手順や、インストール時に起こる問題などへの対処方法をまとめた【WordPress】プラグインのインストール&追加方法とエラー対処の方法も併せてご覧ください。
基本的な設定方法や使い方
設定はダッシュボード左のメニュー一覧から「WP Mail SMTP」→「設定」を選択して行います。
基本的にはメーラー(メール配信サービス)をどうするのかと、それについての設定が主になります。実際に運用する前にテストメールを送ってチェックできるのもいいところですね。
※残念ながらメールの配信ペースを管理する機能はありませんので、メルマガのように一度に多くのメールを送る場合にはサーバーの「SMTP」ではなくメール配信サービス経由での送信をした方がエラーは少ないでしょう。

以下は公式ページに掲載されている設定画面等のスクリーンショットです


