害虫としてではなく、良虫としても有名で種類の多い「カイガラムシ」ですが、殊に観葉植物や庭木となると完全に害虫ですね。知らず知らずの間にびっしりくっついて、葉の根元から枯らしてしまうこの「カイガラムシ」について、実体験を絡めながら駆除方法を調べてみました。
樹木や観葉植物の天敵「カイガラムシ」の特徴
カイガラムシは春先から秋にかけての長い期間繁殖を繰り返し、びっくりするようなスピードで増えていく害虫です。害虫と言えば代表的なのがアブラムシの類ですが、経験上明らかにアブラムシよりも植物が侵されるスピードが速いです。
カイガラムシは葉の裏や葉脈に沿って白っぽい殻に覆われたような虫がつく害虫なのですが、実は見えているのは「メス」と「幼虫」のみ。オスはというと羽があってブンブン飛んでるコバエのような虫です。しかも葉について動き回るのはメスではなく幼虫だけなのです。
「カイガラムシ」が繁殖していく経過
カイガラムシは、色の薄い葉をもつ植物だとなかなか発見することができません。うちでは比較的葉の色が濃い「ホンコンカポック」と「ベンジャミン」に着きましたが発見が遅れて大変なことになりました。
大まかな流れは・・・
1.葉に元気がなく葉の根元から落葉する
これが本当に初期段階。何となく元気がないなぁ、葉が最近よく落ちるなぁ・・・というのがスタートでした。この時に気づいていれば大量繁殖には至らなかったのかもしれませんが、春先だったので新芽はたくさん生えてきましたから木が春に向かって代謝しているのでは?と思って気にも留めていませんでした。
2.木の下の床や葉の表面がベタベタしてくる
植木の周りにある日アリが発生しました。最初はどこからか入り込んだんだろうと思って処分していましたが、日に日にアリの数が増えて、植木鉢の周りの床がなんとなくベタベタしていて、葉の表面も何となくベタベタしていました。
3.目で見てはっきり分るほどたくさんの「カイガラムシ」が
葉の表面・裏・根本をよく見るとたくさんの虫がついています。葉の表にはちょっと大き目のもの(多分これがメス)、裏側の葉脈に沿って小さ目のものが一列に並んでいるような葉がたくさんありました。気づいたときにはもう・・・と言う感じです。
また、表面が黒ずんですす病も併発してしまうので、すすになった枝や葉は一度切り落としてしまうしかありません。
カイガラムシを駆虫するには
カイガラムシに良く効く薬剤は残念ながらないようです。市販されている駆虫薬のほとんどは幼虫にのみ効果があるので長い目で見れば駆除できるとは思いますが、アブラムシのようにはいかないのが感想です。また、油で覆って窒息させる方法も有名ですが、あまり効果的ではありませんでした。
まずはメスの退治。肉眼でもよく見えますし、爪や割りばしでちょっと触るとぽろっと取れますのでこれでまずメスを葉から落とします。メスは自分で動くことができないので木から落としてしまえば駆除は完了です。
次に幼虫の退治。葉の裏の葉脈に沿ってついているのが幼虫や卵です。すり潰して駆除するのですが、なかなかすべてを取り切ることができないのでシャワーなどで洗い流したほうが手っ取り早いです。
このメスの退治と幼虫の退治を繰り返して、オルトランなどの長期間効く薬剤を使うことで数を減らすことはできますが、壊滅までは至らないのがこの「カイガラムシ」のやっかいなところですね。
また、樹形に影響がないようなら、ひどく繁殖した枝をどんどん切り落としてから駆虫していくと効果が高いですし、どうやら水が少し苦手なようなので葉水を頻繁にしたら結構減りました。葉水は裏側中心に(幼虫にかける)すると効果的でした。
カイガラムシの駆虫は長期戦になりますが、他の植物にも影響が出ないように発生した木は他から離して管理し、駆虫作業などしたら必ず手を洗ったりするようにして感染拡大を防ぐようにすることも大事だと思います。