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朝顔で葉の一杯茂った密度の濃いグリーンカーテンを作るには

更新日:

 /公開日:

2016(平成28)年7月26日

朝顔で葉の一杯茂った密度の濃いグリーンカーテンを作るには



日よけの代わりになり、かつ環境にもやさしい緑のカーテン。中でも手軽に始められるのが病害虫などにも強く、小学生のときに授業で育てたこともある「アサガオ」。さっそく種を買ってきてネットを使って誘引して・・・までは良かったのですが、上手に密度の濃いグリーンカーテンになりましたか?ひょっとして間延びしてしまって天井の方だけ茂っていませんか?そうならないための育て方と伸びきってしまってもまだ間に合うお手入れの方法を紹介します。

大前提!つる植物は「摘芯」が重要

 園芸初心者の方はあまりなじみがない「摘芯(てきしん)」という言葉。実は園芸を行う上では非常に重要な作業なんです。特につる性の植物に関してはこれを知っているだけで思うような樹形を作ることができます。

朝顔の摘芯を行った際の日記

摘心は簡単に言うと
これ以上成長させたくない茎の先端をカットすること
です。茎のあるほとんどの植物はこの「摘芯」を行うことで摘芯したすぐ下の葉の脇から新しい芽が出てきます。そしてその芽は2本またはそれ以上に枝分かれするので1本でヒョロヒョロだった木や草花もぐっと見栄えがよくなります。

新芽が出始める春先から初夏にかけて行うことで、中がスカスカになってしまった植え込みなども再生できますから是非やるようにしましょう。毎年必ずやっていればもうスカスカになってしまうことはありませんよ。

また、摘芯を行うと葉が落ちてしまった節から芽が出て再生することがあります。ゴムの木などはこの方法で下葉が落ちても再生しますから是非試してみてくださいね。

朝顔のグリーンカーテンも摘芯が基本

本題に戻って朝顔の話。上の日記は種から発芽したときの摘芯の様子ですが、これは最初に伸びる茎(親づる)があるとつるが細くなったり早期に枯れてしまったりすることがあるためです。

つるが伸びてきたらネットを張って誘引していきます。経験上ですが、朝顔は上に向かって右巻きに巻き付けるときれいにネットに絡んでくれるみたいです。

つるが伸びるからといって横に横にと誘引していくと確かに短期的な見た目は茂っているようにみえますが、自然な感じにはならず上まで育つ前にシーズンオフとなって枯れてしまうこともありますのであくまで自然に上へ伸ばしてあげましょう。

1本~3本のつるが成長し始めるとそこから新たなつるが生えることがなくなります。つまりそのつるがどんどん成長するだけになります。誘引しながら上へ伸ばしてあげましょう。

ここまで成長したら一旦止めたいという場所で前述した「摘芯」を行います。摘芯してもそのつるが枯れる訳ではなく成長が止まるだけですから心配はいりません。

摘芯してしばらくすると今までなかったつるから新たに根元から出てきたり、摘芯したつるの途中から出てきたりします。下の方の密度が十分な場合はもうこれ以上根元付近につるは必要ないわけですからなるべく根元のほうでカットしてしまいます。思うようなところから脇芽がでるまで根気よく手入れしましょう。

一般的には摘芯した2~3節手前から脇芽が出てくることが多いので、あまりにも上の方にボリウムが偏ってしまった場合にはつるの生え方を良く見ながら思い切って根元付近で切ると下から新芽を出すことができ、仕立て直すことができます。

つるをたくさん出して茂らせる際に注意したい点としては、脇芽から出たつるはいままでのつると同じところに巻き付けるとつる同士が締め付け合って枯れてしまうこともありますから1つ下から上に1本できたら次のつるは斜めに誘引するようにするとだんだん密度が濃くなります。

これを繰り返していくことで、よく言う「グリーンカーテン」が出来上がっていきます。自然に出来上がるものではなく手入れをしてあげることで立派なカーテンになるのですから根気よく行うようにしましょう。

余談ですが、外から見えるのでカーテンの状態1つでその人が「ものぐさな人」なのか「マメな人」なのかが分かってしまいますね(笑)

アメリカンブルーの開花とヒポエステスの挿し芽
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