ここ最近サイトのAMP対応に取り組んでいるため、AMP関連の記事が多めになっていますがご容赦ください。
早速ですが、貴サイトはAMP対応させていますか?対応させているとしたら効果はどうでしょう??
あくまでも私の管理しているサイト上での話ですが、アクセス数(ページビュー数)は向上傾向にあるものの、Adsenseの収益は下降傾向になるという印象です。
貴サイトはいかがですか??
今回はWordPressのサイトをAMP対応にするか否かを迷っている方、とりあえずやってみようかなと考えている方向けに、技術情報ではなく「自分のサイトはAMP対応にした方がいいのかどうか?」の判断基準やAMP対応後に確認しておくことなどを独断と偏見で紹介したいと思います。
AMP対応にするかどうかの判断基準
実際にAMPに対応していなかったサイトをAMP対応にした者としての率直な意見ですが、サイトのAMP対応ははっきりいって面倒です。特に以下のようなサイトでは殊に面倒です。
- AMP対応にする時点ですごい数の記事が存在するサイト
- いろいろな表示・表現の機能をプラグインに頼っているサイト
とにかくAMPの規格が厳しくて、独自の動きをさせるもの(カスタムスクリプト)はほぼ使えない、画像には縦横比率を示すために幅と高さの指定がなければならないなど多数の制約があります。
AMP対応にしてからGoogleのクローラーが巡回すると徐々にAMP対応のページかどうかの判断がページごとに行われ、何等かの不具合があればSearch Consoleで叱られます。
これが今まで書いたすべての記事で最終的にはチェックされるので、それが終わるまではエラー対処との文字通り闘いになります。
そして何よりAMPへの対応はテーマ任せ、プラグイン任せにできないのが一番大変です。
大抵のサイトではテーマをAMP対応にしようが、AMP化のプラグインを導入しようが、必ずといっていいほど結局エラーとの闘いになります。
これはテーマやプラグインの問題ではなく、使用している別のプラグインや、本文内に何の気なしに書いているものによるところがほとんどなので、これは自身で解決するしかありません(それでもAMP化できるテーマやプラグインはいろいろなケースに対処できるようになっているのでそれはそれで秀逸だと思います)。
そこまでしてAMP対応にするべきなのか??について、ここから紹介する2つの基準が判断材料になると思いますので参考にしてみてください
モバイルでのアクセス数(ページビュー数)の基準
AMPという機能を使って表示されるのは
- 「Google」「Yahoo」「Bing」の検索エンジンでAMPページとしてキャッシュされ、検索結果からアクセスされたとき(2020年1月現在)
- AMPページとしてのURLパラメーター(URLの末尾に?amp=1など)が付加されたページへ直接アクセスされたとき
の2つです。つまり勝手にモバイルからのアクセスだからAMPで表示されるというものではありません。
後者については、中にはすべてのモバイルアクセスをAMPで表示させるロジックを持つテーマやプラグインがありますので仕様を確認ください
従ってGoogleなどのモバイル検索経由でアクセスされる数の多いサイトでないと、はっきり言って効果はあまりないと言えるでしょう。
また、これも経験上ではありますが、AMP対応にした記事数程度のPV数がモバイルアクセスにないサイトはあまりおすすめしません。これはAMPの仕組みが
- サイト側でAMP対応のページであると宣言し、対応ページを用意する
- 検索エンジンのクローラーが巡回し、AMPとして成り立っているかをチェック後、検索エンジンのサーバーへキャッシュする
- キャッシュされたページを検索結果の一覧上のリンク先として表示する
ようになっているからで、クローラーが巡回する頻度はサイト(ページ)の人気度(アクセス数等)によって大きく異なるからです。向いているかどうかを単純に判断するには、新しく記事を公開した時検索結果としてインデックスされるのにどの程度かかるかというのがポイントでしょう。記事公開後検索エンジンで記事タイトルを使って検索した際に結果表示されるまでの期間が数日かかるようなサイトですと当然AMP(モバイル用)クローラーの巡回頻度も低いので、記事をAMP対応にしても一向にキャッシュされない=AMPの利点が生かせないことになるからです。
また、検索エンジンのサーバーにキャッシュされたページ情報はキャッシュ時点から一定期間経過後にアクセスがあると、そのページの再キャッシュを試みる仕組みになっていて、この再キャッシュによってページへ行った変更がリフレッシュされるようになっています(強制的に行う方法もありますが、これが一般的です)から、モバイル検索結果からのアクセス頻度の低いページは、内容の更新したとしても一向にキャッシュされたページの更新がされないということになる可能性があり、逆に情報の鮮度を落とす結果になることもあることから、いかにモバイルでのアクセスが多いかどうかが1つの判断基準となるでしょう。
アフィリエイトサービス提供の広告を多数貼り付けているサイトには向かない
一般的にAMP対応にすることでページは本当に高速表示されるし、各検索エンジンのサーバーへキャッシュ(保存)されているページを表示するので、サイトの収容されているサーバーに負荷がかかりにくいというのが最大の利点ですから、モバイル環境からのアクセスが多いサイトであれば効果的だと言えます。
が、冒頭で書いたようにそれによってアクセス数が上がるのかどうか?サイトの収益が上がるかどうか?というのはサイトによって異なります。
特に独自スクリプトがAMPで許可されていませんから、アフィリエイトサービスで提供されている商品パーツなどによっては表示させることができません。
従ってAMP対応のページからはそれらの収益が望めなくなります。
またこれにより、通常のページ(パソコン表示やレスポンシブモバイル表示)ではそれらの広告を表示し、AMPでは表示させないようにするという措置をしないと、AMPエラーが解消されませんから、そちらの対応も必要になります。
これも過去記事数が少なければ面倒ではないでしょうが、たくさんあると・・・ですね。
コンテンツ連動型の広告からの収益が下がる可能性大
これはあくまでも私の経験上の話であり、広告サービスから指摘を受ける可能性がありますので、あえてコンテンツ連動型広告と書いておきます(アド〇〇〇などのことです)。
コンテンツ連動型広告はページビュー数の増減や時期によって収益は大きく増減するのは重々承知していますが、それを加味しても結構収益が下がる印象を受けました。
とある記事(いろいろ閲覧しているところで見つけたのでどこのページだったかは忘れましたが海外のページ)によると、AMP対応後のページビュー数が対応以前とくらべておおよそ30%アップすれば収益は同等になるようですが、AMP対応後のページビュー数増がそこまでになるかどうかというのは未知数ですし、個人的データによれば10%程度上がればいいかな?位かと思われます。
またAMP対応によるSEO効果についてGoogle自体は否定していますが、検索結果の上位に表示されるネタとしてページの表示速度が反映されているわけですから、必然的に検索上位となり、アクセス数が上がり、さらに・・という効果は期待できるところですので、AMP対応を続けていくことで今後の効果はあるのかも知れませんから何とも言えないところでしょう。
しかし・・・目先としては結構ダウンします(本当に私の管理しているサイト上での話です)、ややもすると今までの収益はページの表示が遅いことで誤タップを誘発してただけ?と思える位です。
AMP対応はAMP対応のページがありますよ!という宣言をしなければ簡単にやめることができますのでひとまずやってみて・・でもいいかとは思いますが、結論としては、広告表示からの収益目的で作っているサイトではあまりおすすめしないというのが個人的意見です。
AMP対応後に確認しておきたいこと
どこまでをAMP対応にするか
WordPressには大きく以下のコンテンツテンプレートがあります
- 個別の記事(投稿)を表示させるためのテンプレート
- 固定ページを表示させるためのテンプレート
- アーカイブ(投稿一覧等)を表示させるためのテンプレート
- 検索結果を表示するためのテンプレート
- トップページを表示させるためのテンプレート
このうちどのテンプレートをAMPに対応させるかというのがポイントとなります。
もちろんサイトのすべてのテンプレートに適用すればサイト全体がAMPで高速表示できるようにはなるのですが、問題はそれらに含まれる内部リンクをどう扱うかということです。
例えば投稿をAMP対応にした場合、その中に表示される
- タグやカテゴリーをタップしたときに表示される一覧
- 本文内に挿入した内部リンクをタップしたときに表示される別のページ
- 関連記事などを表示している場合、それらをタップした時に表示される別のページ
などの遷移先が通常のレスポンシブページだったら・・・訪問している方からするとデザインが違うので、「別のサイトに飛ばされたのでは?」と勘違いする人も多いのではないかと思います。
そもそもAMPは前述した通り検索結果からアクセスされたときのふるまいを変えるものなので、あとはサイトの管理者次第ですから、どこまでをAMPに対応させるかを考える必要はあろうかと思います。
通常ページで表示できるようにしておいた方がいい
何度も書いて申し訳ない位ですが、AMPというのは
- URLにAMPのパラメーターが付いたアドレスへアクセスされればAMP対応のページが表示される
- AMPパラメーターの付いた記事が検索エンジンにキャッシュされていれば、モバイル検索結果からキャッシュされたAMPページが表示される
ということを行う機能なので、どちらにも当てはまらなければ通常のページ(レスポンシブ対応テーマであれば縮小されたページ)が表示されます。
そしてこれも前述しましたが、AMP対応させるために一部の機能を停止したページを用意して、それを表示させる機会も多いでしょう。ただ・・・これはできるだけ訪問者にパッとページを表示させたいというものであり、本来は全機能を動作させたページをみてもらうのが一番です。つまりWordPressのようにアクセスされた都度データを引っ張り出して表示させるツールでは表示速度が遅くなりがちになるのを防ぐための予備機能なのです。
従って、AMP対応したページには本来のページが表示できるよう、分かりやすい位置に表示してタップしたら遷移できるようにしておくべきだと思います(このページのタイトル下、ページ末尾にも設置しています)。