最近流行りのいわゆる「コピペ記事」ではないですよ!あくまで元業界人としての見解や意見、実態です。
特集されていた遺伝病による「奇形」「失明」「難聴」などになってしまう仔は少なからずいます。それがどの位の割合なのか、どの程度なのかは様々です。
業界にいる間にいろいろな人と話をしましたが、圧倒的に「ビジネスとしてペットというものがあったから始めた」という人が多かったのが印象的な業界でした。「命」を扱っているのに・・・でも、実際に何十年か前、空前のペットブームがありどんどんペットショップができ、ホームセンターの中にまでショップが登場し・・・という時代を経て今があります。
ホームセンターの一角にどうしてペット、生き物を?ということについては「お客を呼ぶためのマグネット」「売れないインテリア部門の代わり」というとらえ方がされていたのも事実です。ホームセンター側も生き物を専門家が販売してくれればそのあとのフードやグッズが売れるわけですから、生体販売業者にとっても、デベロッパーであるホームセンターにとってもWinWinの関係だったわけです。
そして当然両社経営をしていかなければならないので、いくら生き物が好きな人でもそのうちに経営的思考になっていき、ときには無理売りをしたり、飼育できる環境にない人に対して店に責任が及ばない範囲で提案をしたりと数字を稼ぐために販売し、無理な仕入れをし、そして経営者は高級車を乗り回す・・・なんて構造ができてしまったんですね、きっと。
でもそれでペットが普及したことで、こじゃれた動物病院がどんどんできたのも確かだし、未だに食品スーパーでも結構な規模のペット用品売り場を持っていたりするわけですから、業界自体は「生き物」でなければ普通の流通拡大となんら変わりがないんです。
とはいえ、最近のペットショップでは「一生責任を持って元気でいてくれるワンちゃん猫ちゃん」を販売したいというよりは、問題が後々起きないように懸念される事項を店頭に平気で掲示して、「これでもいいなら飼ってください」といういわば逃げともとれる販売をしているところが増えている気がします。
飼育される方に対する出口がこれなんですから、当然大元である繁殖しているブリーダーの意識も向上しないし、経営からすれば成り立たないから安易にブリーダー業を放棄することもできない、まさに負の連鎖だと思います。
番組の中で、遺伝病の危険度を親犬で検査する→未然に遺伝病を防ぐという取り組みをしているところも・・・というコーナーがありましたが、裏を返せばそのショップチェーンに行く生き物はいいとしても、その他のショップへ行く仔たちは??となるだけだと思います。ブリーダーさんも1匹〇万円程度で買い取られる仔たちなので利益はそれほどありませんし、休みもないし、親犬の検査で×となった仔もずっと飼養していく必要があるわけですから、同時にブリーダーさんたちの経営を正常にしていこうという動きがなければ何もならないと思います。
昔その業界で給料をいただいていた身分で言えた義理ではありませんが、そんな時代に戻ってくれることを願っています。