料理の中で実は一番難しいのが「ご飯」を炊く炊飯という作業。
米の種類や古さによって味はまちまちになるし、水加減によって柔らかさも違ってくるし・・・。
実は玄米に比べて白米にはほとんど栄養がありません。栄養がないということは、味が淡白だということにもつながるわけで、淡白な味の食べ物だからこそ、調理した味がそのままストレートに伝わってくるので「おいしい」「まずい」がはっきりしてしまいます。せっかくおいしいおかずがあってもご飯があまりおいしくなかったら台無しですから、少しでも安くておいしくご飯を炊く工夫をしましょう。
高いお米や「おいしい」ことが分かっている有名なお米はどんな方法で炊いてもやっぱりおいしいですが、そんなお米ばかり買えるわけでもありませんので、ぜひ古いお米、安いお米も工夫しておいしくいただきましょう。
お米の価格の違いは何?
そもそもお米の価格の違いは何なのでしょうか?
ある程度の価格は国・農協などによって決められていますが、どの分野でも流通しているものには「ネームバリュー」などの価値があり、米も同様に産地であったり、生産者であったりいろいろな要素で価格に違いがあります。
また、収穫して間もない「新米」は古米に比べて高値で取引されています。
重要な要素としては、米粒の大きさ。これは価格が上がるほどしっかりしたものになり、大きな粒になればなるほど水分を含んでふっくら炊けるのでおいしいごはんになるのです。
安くても美味しいお米を買うコツ
とはいえ、闇雲に高いお米を買うのは経済的に打撃が大きいので、スーパーなどでも買える安いお米の選び方をば。
粒の大きいものを選ぶ
前述したとおり、より多くの水分を含んだ方がふっくらしておいしいご飯に仕上がります。お米の袋は必ず中が見えるようになっていますので、必ず一緒に並んでいる「高い」お米と粒の大きさを比較して大き目のものを選びます。激安なお米だと、高いお米の1/2位の粒の大きさしかないことが分かります。
白い粒が少ないものを選ぶ
粒の角にある白い部分は「胚乳」なので、ここはあってもなくてもOKですが、米全体が白っぽいものは精米がしっかりされていなかったり、お米が古くなって糠の成分が多かったりするのでいくら安くても避けるようにしましょう。
単一米を選ぶ
お米の中にはブレンド米といって、いろいろな産地のものが混ざっているものがあります。できれば産地のしっかりしたもので、単一種の米を購入するようにしましょう。
古米でも大丈夫!おいしいご飯の炊き方
ご飯を炊くという作業は炊飯器まかせにするとして、それ以外のコツをご紹介します。
初回の水はすぐに捨てる
乾燥した米に水を注いだ1回目は糠がたくさん溶けだします(水が白くなる)。また、乾燥した米が一番水を吸いやすいのもこのときなので、糠だらけの水をなるべく米に吸収させないためにも、最初に入れた水はさっと流すようにします。
手のひらの中でやさしくすり合わせて洗う
最近では精米技術が進歩してさらさら水をかけるだけでも十分に洗うことができるようですが、より多くの糠がついたお米ですから、2~3回水を入れ替えながら手の平の中ですり合わせるようにして洗います。なるべく米が割れたりしないようにやさしく行うようにしましょう。
糠が取れたかどうかは手の感覚で分かります。慣れてくると、「あ、違うな」というのが分かるようになりますので、研ぐ作業は完了です。このとき水が多少白く濁っても問題ありません。これ以上研いでしまうと大事なうまみ成分がなくなってしまったりしますので研ぎ過ぎないようにしましょう。
吸水させる
研ぎ終わったら規定の量まで水を入れて、炊く前に夏場で30分、冬場で1時間程度水を十分に吸わせるようにしましょう。このとき、冷たい水から炊いた方がよりふっくら仕上がりますので、氷を入れるのも手です。
炊き終わったら混ぜてから蒸らす
炊き終わったら、ご飯を混ぜて空気を含ませてから蒸らすようにしますが、最近の炊飯器は蒸らし時間も含めて炊飯時間としているものがほとんどなので、この作業は必要ありません。炊き終わったら、食べるまでの米が固くならないよう、すぐにご飯を混ぜて空気を含ませておきます。
おまけ 時間がないときは
通常の炊飯器は「炊く」「蒸らす」で約1時間かけてごはんを炊き上げます。電子ジャーによっては「早炊き」など時間を約半分にする機能を持つものもありますね。
昔ごはんを炊くときには「はじめチョロチョロなかパッパ」という言葉がある位、最初は弱火で加熱し、加熱後は強火でサッと炊くとおいしくたけると言われてきました。
通常の炊飯モードではこの「はじめチョロチョロ」に時間をかけることでごはんのうまみとふっくら感を引き出しているのですが、早炊きでは炊飯時間と蒸らし時間が短縮されるので何となく外側はべちゃっとしていて中は芯が残っている感じになってしまうこともあります。
時間のない時はお米を研いですぐに炊飯したいところですが、時間を有効に使うとよりおいしく炊くことができます。
方法は難しくありません。通常の炊飯時間が1時間ですから、この時間を吸水と早炊きで使うということです。研いですぐに炊いてしまうとどうしても中に水分が行かないため芯の残ったごはんになりがちです。30分吸水して30分で早炊きすることで米の中に水分を含ませることができるので早炊きでもよりふっくらとしたごはんに仕上げることができます。
以上が古いお米、安いお米をおいしく食べるコツです。工夫して楽しい食事を楽しみましょう!!