WordPressで作成したサイトで何かのファイルを配布するようなコンテンツを作る機会があると思います。通常はリンクタグのターゲットURLをファイルのURLにしておくと、クリックしたときにダウンロードするようにはなるのですが、「ダウンロードはこちら」などのアンカーを付けたところでちょっと殺風景。
そんなときに役立つのが今回紹介する「Simple Download Monitor」です。
「Simple Download Monitor」は投稿などとは別の場所(カスタム投稿タイプ)上にファイルを格納し、ショートコードを本文に追加することでダウンロードしてもらうためのボタンを表示するプラグイン。他のダウンロード系プラグインと基本的に動作は同じですが、きれいなダウンロードリンクの表示ができるのが最大の魅力です。
【Simple Download Monitor】プラグインの基本的な機能・できること
- ダウンロードできるコンテンツを追加
- フロントエンドにダウンロードできるボタンを設置
- ログインユーザーのみに配布したりパスワードを設けたりすることができる
本記事を参考にWordPressサイトへプラグインの導入を検討される方へ
WordPressは古くから無料で配布されているサイト作成ツール(CMS)で、随時改良が加えられており、さまざまなバージョンが存在します。
さらにWordPressを動かすためのプログラムであるPHP、サイトのデータを保存しておくためのデータベースについても様々なバージョンがあります。
そしてWordPress本体同様にプラグインについてもさまざまなバージョンが存在します。
本記事を参考にプラグインの導入をお考えの方は、以下に留意の上でインストールするようにしてください。
- テスト環境での動作に基づいた紹介記事ですので、すべての環境で正常に動作するかどうかは不明です
※本記事の内容についてはページ内に記載しているプラグインバージョンのものになります。現在のバージョンと異なる場合、機能や日本語対応の状況などが異なる場合があります。
※また、テスト環境、テストしたプラグインバージョン等の表示が本文内にない場合、ページタイトル下にある最終更新日当時の情報となりますので、現在のバージョンでは全く違う機能となっているかも知れません。 - プラグインに無料版と有料版(Pro版)がある場合、特に記載がなければ無料版の情報のみを紹介しています
- このページでプラグインを使用する際に必要なショートコードやコードなどは、コピーして使用することができますが、環境によっては記号などが文字化けすることがあります。コピーしたのに動作しない場合は特に「”」「’」などの記号を入力し直してみてください。
- プラグイン本体の動作不具合や質問などは公式サイトのフォーラムなどで行ってください(ここでは質問にお答えすることはできません)
【Simple Download Monitor】プラグインの設定画面や表示の日本語化と翻訳
当サイトで私が翻訳した【Simple Download Monitor】プラグインの日本語化ファイルを提供しています。
翻訳ファイルは
からダウンロードできます(ダウンロードの方法や日本語の適用方法なども解説しています)
翻訳することで設定が容易になり、重要な項目の設定漏れも少なくなりますから日本語化をお勧めします。
【Simple Download Monitor】プラグインのインストールと設定
インストール方法
インストールはプラグインの新規追加でプラグイン名を入力して検索してインストールするか、WordPressのプラグイン公式配布ページからダウンロード後、管理画面からアップロードインストールしてください(プラグインの公式ページは本ページ内記載のリンクをクリック、もしくは、WordPress公式サイトで検索してください)。
WordPressを使い始めて間もない方(初心者の方)は、より詳細なプラグインのインストール手順や、インストール時に起こる問題などへの対処方法をまとめた【WordPress】プラグインのインストール&追加方法とエラー対処の方法も併せてご覧ください。
【Simple Download Monitor】プラグインの基本的な使い方
翻訳すれば簡単に設定や使用ができると思います。
すべてはダッシュボードから「ダウンロード」メニューの中で行います。
設定項目は
ダウンロード数を非表示
ダウンロード用のコンテンツに表示されるダウンロード数を非表示にします
ダウンロードファイルのURLを隠す(PHPディスパッチ)
直接ダウンロード対策(外部リンクで直接ダウンロードを防ぐための設定です)
ログインユーザーのみダウンロードを許可する
サイトのユーザーでログインしている場合のみダウンロードを可能にします(未ログインユーザーがクリックするとエラーメッセージが出ます)
ログインページのURL
上の設定を有効にした場合ここへURLを挿入することで、エラーメッセージの下へログインを促すメッセージと共にログインページへのリンクが表示されます
使い方はダッシュボードから「ダウンロード」→「新規追加」をクリックして行います
項目は
- タイトル(ダウンロードコンテンツに表示されます)
- 説明(ダウンロードコンテンツに表示されます)
- ダウンロードファイルの設定
- ダウンロードコンテンツに表示する画像の設定
- PHPディスパッチ(直接ダウンロード対策)の設定/前の設定画面でPHPディスパッチを有効にしている場合に適用されます
- ダウンロード数の任意設定
- ファイルサイズなどの表示設定
です。表示したい場所にこの画面で表示されるショートコードを挿入すれば完了です。
このプラグインにはあらかじめいくつかのコンテンツ表示方法があり、ショートコードの中の「fancy=”○“」を変更することで切り替えできます(当サイトは1を使っています)。
その他ダウンロード可能なファイルにタグやカテゴリーを設け、カテゴリーの一覧などを表示しながらダウンロードさせるということもできます。
Googleのインデックスエラーに注意
このプラグインはカスタム投稿タイプを用いてダウンロード用のページを作成しています。そしてこのページにはGoogleなどの検索エンジンに対して「ページ登録しないでね(インデックスしないでね)」というタグが出力されていないため、検索エンジンクローラーが巡回してインデックス登録しようとしてもエラーとなり「http://サイトURL/ でのサーバーエラーの増加を Googlebot が検出しました」というメールが来る場合があります。
このプラグインで作成されるページ(カスタム投稿タイプの投稿)はインデックスする必要がありませんので(内容が少ないため逆にインデックスされると低品質のコンテンツと認識され、マイナスになるかも・・・)、nofollowタグが出力されるようにします。
当サイトで使っている【Simplicity2】テーマの場合は親テーマの「header-seo.php」の最初のコメント下(5行目あたり)に以下のコードを追加します
<?php
if (is_singular('sdm_downloads')){
echo '<meta name="robots" content="noindex" />';
}
?>
このコードは「sdm_downloads」(simple-download-monitorの投稿タイプ)だったらnoindexタグを出力してくださいとという意味になります。
出力方法やファイル名はテーマによって違いますのでコード挿入したら実際にそのカスタム投稿タイプだけに「nofollow」タグが出力されているかをテストしてください。
サイト内検索ウィジェットからの除外
WordPress標準の検索ウィジェットを表示している場合、ダウンロードファイルの名前で検索すると結果の一覧にこのコンテンツが含まれてしまいます。除外するにはプラグインのソースを少しカスタマイズします。
「プラグイン」→「編集」から「simple-download-monitor」を選択し、「sdm-post-type-and-taxonomy.php」を開きます。
25行目あたりに
'labels' => $labels,
'public' => true,
'publicly_queryable' => true,
'show_ui' => true,
'show_in_menu' => true,
'query_var' => true,
'rewrite' => array('slug' => $sdm_slug),
'capability_type' => 'post',
'has_archive' => true,
'hierarchical' => false,
'menu_position' => null,
'menu_icon' => 'dashicons-download',......
という記述があります(カスタム投稿タイプの動作設定です)
ここに以下の検索から除外するという条件を追記します(上の中の途中に挿入するといいでしょう)
'exclude_from_search' => true,
WordPressのバージョン4.9以降では間違ったコードを保存しようとするとロールバック(保存せずに元の画面のままにする)が働くようになっていますので、カスタマイズする場合はWordPressの本体バージョンを確認してからにした方がいいと思います。
プラグインのテスト環境&個人的評価
最後に【Simple Download Monitor】を動作確認した際の環境と個人的な評価を書いておきます。導入の検討や参考になれば幸いです。
テストした環境
- テストサーバー:カラフルボックス
- WordPressのバージョン:4.9.0
- PHPのバージョン:7.0
- テーマ:Simplicity2 バージョン2.3.0g
- プラグインのバージョン:本記事で紹介しているバージョン 3.3.4/最新バージョン 3.9.24
- 公式サイト(wordpress.org上):https://wordpress.org/plugins/simple-download-monitor/
- 公式サイト(作者サイト):
個人的な評価・感想ほか
- 設定のしやすさ:★★★★★
- 使いやすさ:★★★★★
- おすすめ度:★★★★★
残念ながら翻訳ファイルの作成途中でWordPress公式サイトから削除されたようですが簡単設定でダウンロードコンテンツできるので便利なプラグインだと思います。作者のサイトでダウンロードが可能です。