今回は同時に(というかサブドメインなので引っ越しと同時に必須ではあります)独自ドメインでの運用に切り替えた際の備忘録です。
旧ネットオウル(現スターサーバー)のwp-blogは無料でWordPressというサイト作成ツールを使ってみたい!!という方にはおすすめのサービスです。そして、有料プランにすれば別に取得した独自ドメインを割り当てることもでき、通常のレンタルサーバーでWordPressを使うのと同じようにはなるのですが・・・基本的に1つのサーバーしか運用できない割には月額利用料が高いのがちょっとネックですね。
今では同じ価格でたくさんのサイトを運営できるようなサーバーもたくさんありますから独自ドメイン運営するならいっそのことサーバーも乗り換えよう!!というのが今回のテーマです。
私の運営している【がんばれ!わが町名古屋の地域猫&我が家の家ネコ日記】というサイトも無料で運営できるなら、継続できるか心配だから・・といった理由でネットオウル時代に作成したサイト。まあこのまま継続できそうだし、今見ていただいているサイトと同じサーバーでゆくゆくは運用しよう!!ということで、今回↓のカラフルボックスというレンタルサーバーを借りて移転した次第です。
とはいえwp-blogは移転を行うにはちょっと制限(というか不都合)の多いサービスなので、移転を行うには工夫が必要になります。それを踏まえてサイト移転したときの流れを紹介していきます。
前提条件として今回紹介するサイト転送の手順がすべて完了するまでは新しく投稿したり、固定ページを追加したり、プラグインの更新や追加をしたり・・・などなどすべての作業をしないようにしてください(途中で変更があると整合性が取れなくなります)。
サーバーの移転はそうそう行うものではないと思いますので、今日一日かけてやる!!というつもりでたっぷり時間を取って作業してください(慣れてないと途中で手順が欠落して間違いなく失敗します。そしてどこで失敗したかもわからなくなり・・・結局やり直しになり・・・ということになるでしょう。
それでは1つ1つ確実に作業を進めていきましょう。
サイト引っ越しの準備
同一バージョンのWordPressをダウンロードしておく
wp-blogからファイルやフォルダをすべてダウンロードしたいところですが、残念ながらFTPでは「wp-content」以下のフォルダしか操作できません。したがって新サーバーではWordPressの基本プログラムを公式サイトからダウンロードしておき、「wp-content」以下をwp-blogからダウンロードしたファイルと置き換えるという方法を取ります。
もちろんデータベースとの接続情報などを変更する必要がありますのでそちらは後述します。
現行の最新バージョンに現在のサイトを更新してきちんと動作することを確認した後WordPress を入手から最新バージョンをダウンロードしておくのが一番簡単かつ確実でしょう。
phpのバージョンなどで現行サイトへのバージョンアップが難しい場合には今動作しているものと同じバージョンを入手しましょう。
ダウンロードしたらすべて展開(解凍)しておきます。
FTPでwp-blogからファイルやフォルダをダウンロードしコアプログラムと統合する
前述した通りFTPで接続できるのは「wp-content」以下ですから可能なものをすべてダウンロードしておきましょう。
間違いがないようにどこかに新しくフォルダを作ってそこへダウンロードしておくことをおすすめします。
また、有名なFTPクライアントソフトである「FFFTP」は結構転送時のデータ欠落がありますから「Filezilla」などより信頼性の高いものを使用することをおすすめします。
※画像などのコンテンツが多い、投稿数の多いサイトではすごい数のファイルになりますから相当時間がかかりますので時間に余裕を持って操作するようにしましょう
ダウンロードが完了したら、先ほど入手したWordPressのプログラム(コア)ファイルの中の「wp-content」の中をすべて削除し、wp-blogからダウンロードしたファイルやフォルダをすべて移動しておきましょう。
これで接続情報以外のプログラムは完成です。
データベースのデータをダウンロードする
スターサーバーのwp-blogでは通常データベース内のデータを参照したり編集したりできません。でも・・・プラグイン1つでダッシュボードからデータベースの操作をすることができるようになります。
使用するのは
です。有効化するだけでデータベースアクセスできるようになります。
起動したら左上の「エクスポート」をクリックします
それほどデータのないサイトでしたら上の項目から「保存」を選択して下の「エクスポート」ボタンをクリックします
※もしも移転先のサイトでサイズエラーなどの不具合が出る場合には「zip」などの圧縮ファイル形式を選びましょう(エクスポートで元データがどうにかなることはありませんからひとまず「保存」でやってみることをおすすめします)


保存先を指定して「OK」すればデータベース内のデータのダウンロードは完了です。
※このバックアップ方法はデータベースアクセスできない今回のような場合でなくても普段レンタルサーバー内のデータベース操作ツール「php Myadmin」などを使用したことがない方は使える方法ですから覚えておくといいでしょう。
新サーバーでデータベースを作成する
データベースの作成はレンタルサーバーによってメニュー項目も手順も異なるので、それぞれのマニュアルなどを見て行ってください。
データベースの作成が終わったら
- データベース名
- データベースのユーザー名
- データベースのパスワード
- MySQL のホスト名
の4つをメモしておきます(手書きメモでは間違う可能性大なのでメモ帳などのプログラムを使ってコピペしておきましょう)
※もしもデータベース??ということであれば、一度自動インストールなどでWordPressをインストールされてもかまいません。その場合にはFTPなどでWordPressの設置してある場所(index.phpのある場所)にある「wp-config.php」をダウンロードしておきましょう
サイトの接続情報と足りないファイルを作る
ここからが重要です。
まずはWordPressの仕組みを理解しておくと何をしているのかがわかると思いますので簡単に説明しておきます。
WordPressはサイトが開かれたとき、「wp-config.php」というファイルの中のデータにある
- サーバーの中のどのデータベースに接続するのか?
- どの名前のテーブル(データが格納されているファイルのようなもの)から読み込むか?
というのを見てサイトを表示します。したがって前項でメモしてね!とした
- データベース名
- データベースのユーザー名
- データベースのパスワード
- MySQL のホスト名
それから、どのテーブルに?を示す『接頭辞』というのを指定します(接頭辞については後述します)。
要するにこれらがきちんと設定されていればサイトはきちんと表示されます。
それでは先に進めます。
先ほど「FTPでwp-blogからファイルやフォルダをダウンロードしコアプログラムと統合する」のところで作成したWordPressのファイル・フォルダを開いてください。
そこに「wp-config-sample.php」というのがありますね。これを「wp-config.php」へ変更します。
「wp-config.php」を開くと↑のような項目が出てきますのでそれぞれコピーして保存します。
これで接続情報の設定は完了です。
次にWordPressのサイトへ接続されたときに表示前にまず動作させるルールを示すファイルを作ります。これを「.htaccess」ファイルといいます。
このファイルがあることによってWordPressのサイトを表示させるときはこういう風にしてね(詳細は割愛します)というものを設定できますし、カスタマイズすればアクセス制限したり特定のアドレスからのアクセスを拒否したり、何かを何かに転送したり・・・などなどサイト表示前に何かをする・・・という設定を行うことができます。が、今回はとりあえずWordPressの設定だけしましょう。
まずパソコンのメモ帳などを開きます(きちんとしたテキストエディタが望ましいところではあります)
以下のコードをコピーします
# BEGIN WordPress
<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
RewriteBase /
RewriteRule ^index\.php$ - [L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
RewriteRule . /index.php [L]
</IfModule>
# END WordPress
保存します(適当な名前でOKです)。ここでは「1.txt」で保存したものとします
保存したファイルの名前を「1.txt」から「.htaccess」へ変更します
※拡張子の変更ができないという場合には「拡張子 表示」などでググって表示できるようにしてください
作成した「.htaccess」を先ほどの「wp-content」のある場所へ移動します
以上で準備はすべて整いました。
---文字にすると長いですけど手順通りにいけばそれほど時間はかからないと思います---
新サーバーで稼働させる手順
データベースのインポートと一部修正
サーバーにデータベースをインポートします。操作には「php Myadmin」などサーバー独自のツールを使います。操作方法はそれぞれなのでマニュアル等を確認してください。
「php Myadmin」の場合は目的のデータベースを開き、上にある「インポート」をクリックします
インポートが完了したら、左側に「〇〇_」などの共通した文字列の後にたくさんのテーブルがあることが分かりますね。この「〇〇_」が先ほどの接頭辞ということになります。これを「wp-config.php」の「データベースの接頭辞」という項目へコピーします(通常は「wp_」でインポートされると思いますので、変更しなくてもいいかと思いますが一応確認ください)
次に、このデータベースに入っている情報の中で「サイトアドレス」と「WordPressアドレス」の2つが旧サイトのままなので変更します。
左のテーブル一覧から「wp_options(接頭辞がwp_でない場合には「設定された接頭辞options」となります)」を開き、「siteurl」と「home」となっている項目の右2つを新しく稼働させるドメインへ変更します
ファイルやフォルダ類のアップロード
新しいサーバーでそのドメインが紐づいている場所へWordPressに関連するファイル類をアップロードします。
※この場所についてはサーバーやご自身の設定により異なりますのでマニュアルや環境を確認ください
アップロードするのは完成したWordPressのフォルダやファイル一式です
これでサイトの移転と新しいドメインで運用するための処理は完了です
それでは新しいアドレスを入力してサイト表示をしてみましょう
・・・きちんと表示されれば完了です。
もしも表示が崩れたりするときは、プラグインや内部画像の設定などの見直しが必要です(メディアにアップロードされている画像は自動で新サイトのURLになりますが、スライダープラグインなどでメディアから引っ張り出している場合には表示されなくなりますので調整が必要です)
今回私のサイトの場合は「WP Scripts & Styles Optimizer」というプラグインのスクリプト再構築をしていなかったためレイアウト崩れなどが起きました。どんなことが要因かはそれぞれのサイトによるところが大きいので自身で調整ください。
お疲れ様でした・・・と言いたいところですが、正常に動くようになったら旧サイトから新サイトへ自動で移動するための設定などをしていきます。

移転後の処理いろいろ
もう一息です。がんばりましょう!!
旧サイトから新サイトへの自動転送設定
旧サイトへアクセスした方を自動で新サイトへ移動させる設定です。今後新しいサイトで運営するわけですし、何より同一のサイトが2つ存在することになってしまいますから必ず設定するようにしましょう。
手順は以下の通りです
旧サイトの管理画面にアクセスし
プラグインをインストールします。
そして設定画面以下の設定を追加します。
ソース URL ^(?!.*wp-login.php)
正規表現にチェック
ターゲット URL 新サイトのURL$1
こんな感じにすればOKです
・・・これで終了です。このコードはフロントエンド(訪問者がアクセスしたときに表示されるページ)は転送するけど管理画面へのアクセスはそのまま通すという便利なコード、転送後に旧サイトの何かを見たい・・・なんてときに管理画面へはアクセスできるので便利です。
Google Search Consoleで移転の処理
Google Search Consoleでサイト登録している場合には、新しいサイトの登録と、古いサイトからの引継ぎの処理が必要になります。こちらはURL の変更を伴うサイト移転の公式ヘルプをご覧いただいたり「Google サイト 移転」などでググればヘルプなどいろいろ出てきますので参照して設定ください
wp-blogならではの設定
Google Search Consoleでサイトの移転リクエストを行う場合の条件として
- 旧サイトの所有権が自身であることの確認ができること
- 新サイトへの301転送ができていること
の2つがあります。先ほど紹介した「Redirection」プラグインで上記の設定をすると、サイトへアクセスされたときのページがすべて新サイトになり、ヘッダーに追加した所有権の確認ができない、またはその逆が発生して転送が完了できません。
これを回避するためにはアクセスされる前の場所(index.phpのある場所)へGoogle Search Consoleのサイト所有権認証ファイルを転送するほかないのですが、wp-blogではindex.phpのある場所へアクセスできません。
困った・・・いやいや方法があります。これもプラグインを使います。
をインストールしてメニューから起動すると、な・な・なんとアクセスできない場所へアクセスできてしまうではありませんか~。
これで所有権認証コードのファイルを転送し認証OK、「Redirection」で301転送設定して転送OKとなるので問題なくサイト移転リクエストができます。
こんなときのために転送設定は旧サイトの管理画面以外にしておくべきなんですね。
移転リクエストが正常に完了するとメールが来ますので一応保存しておきましょう。
外部サービスでのURL変更
サイトを運営する上でアフィリエイトサービスやブログランキング、SNSでのサイト紹介などいろいろなことを設定しているかと思います。これらをすべて新URLへ変更する必要があります。
移転したことをサイトでお知らせする
旧サイトへアクセスされても新サイトへ転送されるように設定はしてあるものの、それではいつまで経っても旧サイトへアクセスされる方が減ることはありませんので、新サイトのどこかでサイト移転した旨を通知するようにしましょう。
※Googleなどの検索エンジンにおけるサイトの評価にはいろいろな要素があります。サイトを移転したことで少なからずアクセス数にマイナスの影響があります。移転後新サイトでの認識が進めば改善されていき、よりよい方向に行ったり、逆に悪い方向に行ったりしますが、ある程度のところで安定してくるはずです(経験上だいたい半年はかかると考えた方がいいかもしれません)から、旧サイトの閉鎖はそれ以降、またはサービス契約が続く限り放置しておいた方が無難だと思います。
さいごに 移転した効果
いかがでしたか??手順が多くて頭から煙が出そうではないですか??でもあまり行うことのないことですから慎重かつ丁寧に作業していきましょうね。
で、目に見えて効果が表れたのがサイトの表示スピード。全く同じコンテンツですから比較しやすいですね。
旧wp-blogサイトではトップページを表示するのに6秒近くかかっていたのに、現状ではなんと2秒台(タイミングにもよるので何とも言えないところではあります)。
この改善は大きいですね。ずーーーーっとページが開かないってストレスですし、何よりせっかく訪問してくれても「なーーんだ」って閉じてしまうこともありますから・・・。
ちなみに移転したサイトはOrdinary Lifeという地域猫ちゃんのこと、我が家の猫のことなどを書いた日記サイトです。よかったら見てやってくださいね、
サイト移転が大変そう・・・誰かやってくれないかと思った方へ
こうした作業は意味が分かっているだけでなく、何をやったらどんなエラーが出て、どうやったら解決できるか?が勝負の分かれ目だと思います。
サイトを移転しよう!!で
- ご自身でやってみて失敗してしまった
- 大変そうだから誰かに委託したい
なんてことがありましたら是非お任せください。
※wp-blog以外でもいろいろなサイトの移転に対処した経験がありますので安心してお任せください
まずはお問い合わせから
※サイトの状態などによってはお断りすることがありますのでまずはお問い合わせください